これまでは、紙の上で完結する平面図形について学んできました。ここからは、高さや奥行きのある「立体図形」の世界に入ります。
これまでは、紙の上で完結する平面図形について学んできました。ここからは、高さや奥行きのある「立体図形」の世界に入ります。
いろいろな立体図形とその名前
投影図を学ぶ前に、まずは主役となる立体図形たちの名前と特徴を覚えましょう。立体図形は大きく「〇〇柱」の仲間と、「〇〇錐」の仲間に分けられます。
角柱(かくちゅう)と円柱(えんちゅう)
同じ形をした2つの面(底面)が、平行になっている立体です。
- 角柱:底面が多角形(三角形、四角形など)のもの。側面は長方形です。
[Image of a triangular prism and a rectangular prism]
- 円柱:底面が円のもの。側面は曲面です。
[Image of a cylinder]
角錐(かくすい)と円錐(えんすい)
1つの底面と、その頂点(とがった部分)でできている立体です。
- 角錐:底面が多角形のもの。側面は三角形です。
[Image of a square pyramid]
- 円錐:底面が円のもの。側面は曲面です。
[Image of a cone]
球(きゅう)
ボールのように、中心からすべての点の距離が等しい立体です。
[Image of a sphere]
しかし、立体をノートや教科書のような平らな紙に正確に描くのは難しいですよね。そこで、誰が見ても同じ立体を思い浮かべられるように、特別な図の描き方が考案されました。それが「投影図(とうえいず)」です。
投影図とは?
投影図は、立体を特定の方向から見て平面に映し出した図のことです。 마치、立体に正面と真上から光を当てて、その「影」をスケッチするようなイメージです。主に2つの図をセットで用います。
立面図(りつめんず)と平面図(へいめんず)
立面図 (りつめんず): 立体を真正面から見た図。
平面図 (へいめんず): 立体を真上から見た図。
投影図を描くときは、基本的に立面図を上、平面図を下に描き、それぞれの図の幅がぴったり合うように位置を揃えて描くのがルールです。
投影図から立体を読み取ろう
投影図の面白さは、2つの平面的な図というヒントから、もとの立体が何であるかを推理するところにあります。いくつか代表的な例を見てみましょう。
例題1:この立体は何?
【見方】真上から見たら「円」で、正面から見たら「長方形」。
【答え】これは円柱(えんちゅう)です。
例題2:この立体は何?
【見方】真上から見たら「円」で、正面から見たら「二等辺三角形」。
【答え】これは円錐(えんすい)です。
例題3:この立体は何?
【見方】真上から見たら「対角線の入った四角形」で、正面から見たら「二等辺三角形」。
【答え】これは四角錐(しかくすい)です。
例題4:この立体は何?
【見方】真上から見ても「円」、正面から見ても「円」。
【答え】これは球(きゅう)です。
このように、立面図と平面図の2つの情報を組み合わせることで、もとの立体図形を正確に特定することができます。