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2-1-3.簡単な式の変形

これまでは、方程式を解いて \(x=5\) のように、文字の値を求める計算をしてきました。今回の「式の変形」は、その応用編です。ゴールは数字を求めることではなく、式を特定の文字について整理し直すことです。

例えば、\(x + y = 10\) という式を、「\(y=\) …」という形に変形する、といった操作をします。このスキルは、理科の公式を使いやすく変形したり、連立方程式を解いたりするときに非常に役立ちます。

式の変形のやり方

「\(y\)について解く」や「\(h\)について解く」のように言われますが、難しく考える必要はありません。やり方は、一次方程式の解き方と全く同じです。

【式の変形のルール】
主役にしたい文字(例:\(y\))を左辺に一人ぼっちにさせることが目標。
そのために、一次方程式で使った「移項」「両辺に同じ数を掛けたり割ったりする」という技を駆使する!

例題で手順を確認しよう

例題1:\(x + 2y = 8\) を \(y\) について解きなさい。

目標:式を \(y = \text{…}\) の形にすること。

手順①:\(y\) を含む項以外を、右辺に移項する。
\(2y\) 以外の項、つまり \(x\) を右辺に移項します。

$$2y = 8 – x$$

手順②:\(y\) の係数で両辺を割る。
\(y\) を一人ぼっちにするために、係数の2で両辺を割ります。

$$y = \frac{8-x}{2}$$

これで \(y\) について解くことができました。(\(y = 4 – \frac{1}{2}x\) と書くこともあります。)

例題2:三角形の面積の公式 \(S = \frac{1}{2}ah\) を \(h\) について解きなさい。

目標:式を \(h = \text{…}\) の形にすること。

手順①:分数を消すために、両辺に分母の数を掛ける。
分母の2を消すために、両辺に2を掛けます。

$$2S = ah$$

手順②:\(h\) 以外の文字で両辺を割る。
\(h\) を一人ぼっちにするために、\(ah\) の \(a\) が邪魔なので、両辺を \(a\) で割ります。

$$\frac{2S}{a} = h$$

手順③:左辺と右辺を入れ替えて見やすくする。

$$h = \frac{2S}{a}$$

このように、式の変形は、まるでパズルのように文字を整理していく作業です。方程式を解くときと同じルールを、落ち着いて適用していきましょう。


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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