中学数学の最重要単元の一つ、「一次関数(いちじかんすう)」へようこそ! 1年生で学んだ「比例」は、「原点を通る直線」を表す関数でしたね。一次関数は、その比例をパワーアップさせたもので、「原点を通るとは限らない、すべての直線」を表すことができる、とても汎用性の高い関数です。
一次関数の式の形
一次関数とは?
ともなって変わる2つの変数\(x\)と\(y\)があり、\(y\)が\(x\)の一次式で表されるとき、「\(y\)は\(x\)の一次関数である」と言います。その式の形は、次のようになります。
$$y = ax + b$$
- \(a\):傾きまたは変化の割合と呼ばれる、0でない定数。
- \(b\):切片(せっぺん)と呼ばれる、定数。
この \(y=ax+b\) という形が、一次関数のすべてを表しています。\(a\)と\(b\)がどんな数字になるかで、グラフの傾きや位置が変化します。
比例は一次関数のスペシャルバージョン!
もし、\(y=ax+b\) の \(b\) の部分が \(0\) だったら、式は \(y=ax\) となりますね。これは、1年生で習った比例の式そのものです。
つまり、比例は、一次関数の \(b=0\) という特別な場合(スペシャルバージョン)だったのです!
身の回りにある一次関数
一次関数は、「最初からある程度の量があって、そこから一定の割合で増えたり減ったりするもの」を表すのが得意です。
例題:お風呂の水量
すでにお風呂に5Lの水が入っており、そこから1分間に2Lの割合で水を入れていきます。水を入れ始めてから\(x\)分後の水量を\(y\)Lとするとき、\(y\)を\(x\)の式で表してみましょう。
\(x\)分後には、水は \(2 \times x = 2x\) L増えます。
しかし、もともと5Lの水があったので、全体の水量\(y\)は、増えた量に最初の量を足し合わせる必要があります。
したがって、式は次のようになります。
$$y = 2x + 5$$
これはまさに \(y=ax+b\) の形(\(a=2, b=5\))をしていますね。このように、一次関数は比例よりもっと複雑で、現実的な状況を表すことができます。