「明日の降水確率は50%です」や「宝くじが当たる確率」のように、私たちは日常で「確率(かくりつ)」という言葉をよく使います。この単元では、その確率の正体と、数学的な求め方の基本を学んでいきます。
確率とは、一言でいうと「あることがらが、どれくらい起こりやすいか」を数値で表したものです。確率を正しく理解するために、まずはいくつかの基本的な用語をマスターしましょう。
確率の世界の基本用語
試行(しこう)と事象(じしょう)
- 試行:同じ条件のもとで、何度も繰り返すことができる実験や観察のこと。
(例:サイコロを1回投げる、コインを1回投げる、くじを1本引く) - 事象:試行によって起こる結果のこと。
(例:サイコロを投げたら3の目が出る、コインを投げたら表が出る、くじを引いたら当たりが出る)
確率を考える大前提は、「どの結果が起こることも同様に確からしい」ということです。これは、サイコロのどの目が出る可能性も同じ(1/6ずつ)であるように、結果に偏りがない状態を指します。
確率の求め方
ある事象が起こる確率は、次の計算式で求めることができます。
確率の基本公式
$$(ある事象が起こる確率) = \frac{(その事象が起こる場合の数)}{(起こりうるすべての事象の場合の数)}$$
例題:サイコロを1回投げる試行
問:偶数の目が出る確率を求めなさい。
手順①:起こりうるすべての事象の場合の数を数える
サイコロを1回投げると、出る目は「1, 2, 3, 4, 5, 6」の6通りです。これが分母になります。
手順②:求めたい事象が起こる場合の数を数える
「偶数の目が出る」という事象は、「2, 4, 6」の3通りです。これが分子になります。
手順③:公式に当てはめて計算する
$$確率 = \frac{3}{6} = \frac{1}{2}$$
答え:\(\frac{1}{2}\)
確率の性質
確率Pの範囲
- どのような事象でも、その起こる確率\(P\)は \(0 \le P \le 1\) の範囲にあります。
- 絶対に起こらない事象の確率は 0 です。(例:サイコロで7の目が出る確率)
- 必ず起こる事象の確率は 1 です。(例:サイコロで6以下の目が出る確率)
確率が1を超えたらおかしいと思うようにすると検算にもなりますね。