平方根の足し算と引き算は、中学1年生で学んだ文字式の計算とそっくりです。文字式では「同類項」をまとめましたね。平方根の計算では、ルート(√)の中の数字が同じものを仲間とみなして計算します。
そして、計算を始める前には、必ず各項をできるだけ簡単な形になおすという準備が欠かせません。
準備:ルートの中を簡単にする
まず、\(\sqrt{12}\)や\(\sqrt{18}\)のような数は、素因数分解を利用して \(a\sqrt{b}\) の形に変形しなければなりません。
ルートの中を簡単にする方法
- ルートの中の数を素因数分解する。
- 2乗(ペア)になっている数を、ルートの外に1つだけ出す。
例:\(\sqrt{12} = \sqrt{2^2 \times 3} = 2\sqrt{3}\)
平方根の加法・減法
準備ができたら、いよいよ計算です。ルールは文字式の計算と同じです。
平方根 加法・減法のルール
ルートの中の数字が同じものどうしで、係数(ルートの前の数)を計算する!
【注意】ルートの中の数字は、絶対に足したり引いたりしてはいけません。\(\sqrt{2} + \sqrt{3} = \sqrt{5}\) のようには計算できないので、注意しましょう。
例題1:ルートの中が同じ場合
\(5\sqrt{3} + 2\sqrt{3}\) を計算しなさい。
これは、文字式でいう「\(5x + 2x\)」の計算と同じです。\(\sqrt{3}\)を一つの文字のように考え、係数の部分だけを計算します。
$$(5+2)\sqrt{3} = 7\sqrt{3}$$
例題2:ルートの中が違う場合
\(\sqrt{18} – \sqrt{8}\) を計算しなさい。
このままではルートの中が違うので計算できません。まず、それぞれの項を簡単な形になおします。
- \(\sqrt{18} = \sqrt{3^2 \times 2} = 3\sqrt{2}\)
- \(\sqrt{8} = \sqrt{2^2 \times 2} = 2\sqrt{2}\)
したがって、元の式は次のように変形できます。
$$3\sqrt{2} – 2\sqrt{2}$$
これで、ルートの中が同じ\(\sqrt{2}\)になったので、係数を計算できます。
$$(3-2)\sqrt{2} = 1\sqrt{2} = \sqrt{2}$$
例題3:ルートの中が違う場合2
\(\sqrt{3} – \sqrt{2}\) を計算しなさい。
実は、これはこれ以上計算できないので、このまま答えです。
$$\sqrt{3} – \sqrt{2}$$