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3-3-2.因数分解で解く

二次方程式を解くための、最も基本的でパワフルな方法が「因数分解」を利用した解き方です。この方法は、ある単純な数の性質に基づいています。


掛け算して0になる数

突然ですが、クイズです。「2つの数 AとBを掛け算したら、答えが0になりました(\(A \times B = 0\))。このとき、AとBについて何が言えますか?」

答えは、「AかBの少なくともどちらか一方は0である」ですね。この当たり前のようで非常に重要な性質が、二次方程式を解くカギとなります。

因数分解で解くための大原則

もし \(A \times B = 0\) ならば、\(A=0\) または \(B=0\) である。


因数分解を使った解き方

この原則を利用して、二次方程式を2つの簡単な一次方程式に分解して解いていきます。

解き方の3ステップ

  1. 式を「\(\dots = 0\)」の形に整理する。
  2. 左辺を因数分解する。((\(x-a\))(\(x-b\)) = 0 のような掛け算の形にする)
  3. それぞれのカッコの中が0になるような\(x\)の値を求める。それが方程式の解となる。

例題1

二次方程式 \(x^2 – 5x + 6 = 0\) を解きなさい。


手順①:式の形を確認する
すでに「\(=0\)」の形になっています。

手順②:左辺を因数分解する
「足して-5、掛けて+6」になる2つの数は、-2と-3です。

$$(x-2)(x-3) = 0$$

手順③:解を求める
「\(x-2\)」と「\(x-3\)」という2つのものを掛けて0になっているので、どちらかが0になるはずです。
・もし \(x-2=0\) なら、\(x=2\)
・もし \(x-3=0\) なら、\(x=3\)

したがって、この方程式の解は2つ見つかりました。

$$答え:x = 2, 3$$

例題2:因数分解の公式を使う場合

二次方程式 \(x^2 – 9 = 0\) を解きなさい。


手順①と②:因数分解する
左辺は「2乗-2乗」の形なので、和と差の積の公式で因数分解できます。

$$(x+3)(x-3) = 0$$

手順③:解を求める
・もし \(x+3=0\) なら、\(x=-3\)
・もし \(x-3=0\) なら、\(x=3\)

$$答え:x = \pm3$$


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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