正負の数の割り算、数学の言葉では「除法(じょほう)」と言います。実は、除法には新しいルールはほとんどありません。掛け算(乗法)の知識と、「あること」をするだけで、すべての問題が解けるようになります!
用語:除法と商
除法 (じょほう): 割り算のこと。
商 (しょう): 除法の結果(答え)のこと。
符号のルールは乗法と全く同じ!
まず嬉しいお知らせです。答えの符号(プラスかマイナスか)を決めるルールは、乗法と100%同じです。つまり、式の中にあるマイナスの個数を数えるだけです。
・式の中のマイナス(ー)が奇数個なら、答えの符号はマイナス(ー)
計算の秘訣は「逆数」
除法の計算は、割り算をそのまま行うのではなく、掛け算になおして計算するのが基本です。その変身の呪文が「逆数(ぎゃくすう)」です。
用語:逆数(ぎゃくすう)
逆数とは、ある数に掛けると答えが「1」になる数のことです。簡単に言うと、分数の分母と分子をひっくり返した数です。
例え:\(3\)
の逆数は\(\frac{1}{3}\)、\(\frac{2}{5}\)の逆数は\(\frac{5}{2}\)
割り算は、割る数を「逆数」にして、掛け算になおす。
例1:(-10) ÷ (+2)
割る数「+2」の逆数は「+1/2」です。これを使って掛け算に変身させます。
$$(-10) \div (+2) = (-10) \times (+\frac{1}{2}) = -5$$
マイナスが1個(奇数)なので、答えはマイナスですね。
例2:分数を使った割り算
逆数を使う方法は、特に分数の割り算で威力を発揮します。
$$(-\frac{2}{3}) \div (-\frac{5}{7})$$
割る数「-5/7」の逆数「-7/5」を掛けます。
$$(-\frac{2}{3}) \times (-\frac{7}{5}) = +\frac{14}{15}$$
マイナスが2個(偶数)なので、答えはプラスになっていますね。
このように、除法は「逆数を使って掛け算になおす」という一手間だけで、あとは乗法の問題として解くことができます!