いよいよ正負の数の基本ルールの最終章です。今回は、同じ数を何度も掛け合わせる計算を、スッキリと表現する方法「累乗(るいじょう)」について学びます。例えば、3 × 3 × 3 × 3
のような計算を、もっとカッコよく書くことができます。
用語:累乗と指数
累乗 (るいじょう): 同じ数をいくつか掛け合わせたもの。
指数 (しすう): その数を何回掛け合わせたかを示す、右上の小さい数字のこと。
例:
$$5^3$$
← この「3」が指数。「5を3回掛ける」という意味。
指数の読み方は「5の3乗(さんじょう)」のように読みます。特に2乗は「平方(へいほう)」、3乗は「立方(りっぽう)」と呼ぶこともあります。
$$5^3 = 5 \times 5 \times 5 = 125$$
最重要!カッコの有無で意味が変わる
累乗の計算で、最も多くの人が間違えるのがこのポイントです。特にマイナスの数がつく場合、カッコがあるかないかで、計算結果が全くの別物になります。
は、「-2」を4回掛ける。
は、「2」を4回掛けたものに、後からマイナスを付ける。
例1:カッコがある場合
(-2)
という塊を4回掛けるので、マイナスも4回掛け合わされます。マイナスが4個(偶数個)なので、答えはプラスになります。
$$(-2)^4 = (-2) \times (-2) \times (-2) \times (-2) = +16$$
例2:カッコがない場合
指数4
は、すぐ左にある2
にしかかかっていません。-
は関係なく、最後につけるだけです。
$$-2^4 = -(2 \times 2 \times 2 \times 2) = -16$$
このように、答えが正反対になってしまうので、カッコの役割をしっかり理解しましょう!
指数法則の初歩
累乗どうしの掛け算には、計算が楽になる法則「指数法則(しすうほうそく)」があります。今回はその入り口を少しだけ紹介します。
言葉だと難しいですが、式で見ると簡単です。
$$a^m \times a^n = a^{m+n}$$
例えば 3² × 3⁴
は、(3×3) × (3×3×3×3) なので、結局3を合計6回掛けていることになりますね。
$$3^2 \times 3^4 = 3^{2+4} = 3^6$$
これですべての基本計算ルールが出揃いました!これらの道具を使って、これから様々な数学の問題に挑戦していきましょう。