正負の数を学ぶ前に、すべての整数の「もと」となっている「素数(そすう)」について学びましょう。そして、どんな整数も素数の掛け算の形に分解できる「素因数分解(そいんすうぶんかい)」というテクニックをマスターします。これは、これから学ぶ単元で非常に役立つ、大切な基礎スキルです。
素数と因数
素数とは?
1とその数自身しか約数を持たない、1より大きい整数のこと。
(例:2, 3, 5, 7, 11, 13, …)
【注意】「1」は素数ではありません。また、偶数の素数は「2」だけです。
因数(いんすう)とは?
ある整数が、いくつかの整数の掛け算で表されるとき、その掛け算の一つひとつの数のこと。
(例:12 = 2 × 6 なので、2と6は12の因数です。約数とほぼ同じ意味です)
この2つの言葉が合わさった「素因数」とは、「素数である因数」という意味です。そして、ある整数を素因数だけの掛け算の形に分解することを「素因数分解」と言います。
素因数分解のやり方
素因数分解は、小さい素数から順番に、割り算を繰り返して行います。
例題:42を素因数分解しなさい。
【考え方】
割り算の筆算を逆さにしたような形で、どんどん割っていきます。
- 42を、一番小さい素数「2」で割る → 21
- 21は2で割れないので、次の素数「3」で割る → 7
- 7は素数なので、これ以上分解できません。ここでストップです。
【結論】
左側に出てきた割る数(2, 3)と、最後に出てきた数(7)をすべて掛け合わせれば、素因数分解の完成です。
$$42 = 2 \times 3 \times 7$$
例題2:同じ数が複数出てくる場合
72を素因数分解しなさい。
同じように、小さい素数から割っていきます。
72 ÷ 2 = 36
36 ÷ 2 = 18
18 ÷ 2 = 9
9 ÷ 3 = 3
この場合、2が3回、3が2回出てきました。同じ数の積は、指数を使ってまとめるのがルールです。
$$72 = 2^3 \times 3^2$$