文字式のルールに慣れてきたところで、次は文字式どうしの足し算・引き算(加法・減法)に挑戦します。計算の鍵を握るのは、「仲間を見つけてまとめる」ことです。その仲間のことを、数学では「同類項(どうるいこう)」と呼びます。
はじめに覚えたい言葉
項・係数・同類項
式
$$5x – 3y + 2$$
を例に見てみましょう。
項 (こう): 式をプラスで区切ったときの各部分のこと。この式の項は 5x
, -3y
, 2
の3つです。
係数 (けいすう): 文字についている数字の部分のこと。x
の係数は5
、y
の係数は-3
です。
次に、式
$$5x – 3y -2x$$
を例に見てみましょう。
同類項 (どうるいこう): 文字の部分が全く同じ項のこと。例えば、5x
と -2x
は同類項ですが、5x
と -3y
は文字が違うので同類項ではありません。
同類項をまとめる
文字式の加法・減法では、この同類項だけを計算することができます。りんご(x)とりんご(x)は合わせられますが、りんご(x)とみかん(y)は合わせられない、というイメージです。
同類項どうしで、係数を足し引きする!
例1:加法(足し算)
$$(3a + 4) + (5a – 6)$$
まずカッコをそのまま外します。
$$= 3a + 4 + 5a – 6$$
次に、同類項(仲間)を見つけます。3a
と 5a
がaの項、+4
と -6
が数字だけの項です。
仲間どうしで係数を計算します。
$$= (3+5)a + (4-6) = 8a – 2$$
例2:減法(引き算)
$$(7x + 2) – (4x – 5)$$
引き算では、引く方のカッコを外すときに、中のすべての項の符号が反対になるという超重要ルールがあります!「分配法則(ぶんぱいほうそく)」と言います。これは次回詳しく勉強します。
$$= 7x + 2 – 4x + 5$$
- (4x)
は -4x
に、- (-5)
は +5
になっているのが分かりますね。あとは加法と同じように、同類項をまとめます。
$$= (7-4)x + (2+5) = 3x + 7$$
文字式の計算は、①カッコを外す(引き算は特に注意!)、②同類項という仲間を見つける、③係数を計算する、という手順で進めれば大丈夫です!