ここからは、実際に方程式を解くための基本的なテクニックを学んでいきます。今回扱うのは「一次方程式(いちじほうていしき)」と呼ばれる、最もシンプルな形の方程式です。
一次方程式とは?
式を整理したときに、\(x^2\)や\(x^3\)などが含まれず、x
(1乗の\(x\))だけが含まれる方程式のこと。中学1年生で学ぶ方程式は、ほとんどがこの一次方程式です。
どんな一次方程式も、解くときの最終ゴールはたった一つです。
式を の形に変形すること!
このゴールを目指すために使う道具が、前回学んだ「等式の性質」です。「両辺に同じ操作をしても良い」というあのルールを使って、\(x\)の正体を暴いていきましょう。
例題1:足し算・引き算で解くタイプ
$$x – 5 = 3$$
ゴールは
$$x=$$
の形にすることです。そのためには、左辺にある-5
が邪魔ですね。どうすれば-5
を消せるでしょうか?
答えは、+5
をしてあげることです。-5+5=0
となり、うまく消えてくれます。
そして、等式の性質「両辺に同じ数を足しても良い」を使い、両辺に+5
をします。
$$x – 5 + 5 = 3 + 5$$
$$x = 8$$
見事、
$$x = \text{数字}$$
の形になりました!この方程式の解は \(x=8\) です。
例題2:掛け算・割り算で解くタイプ
$$4x = 20$$
$$4x$$
は
$$4 \times x$$
のことです。x
だけにしたいので、×4
が邪魔ですね。
これを消すには、÷4
をしてあげれば
$$4 \div 4 = 1$$
となり、
$$1x$$
、つまり\(x\)にすることができます。
等式の性質「両辺を同じ数で割っても良い」を使い、両辺を4
で割ります。
$$\frac{4x}{4} = \frac{20}{4}$$
$$x = 5$$
ゴールにたどり着きました!この方程式の解は \(x=5\) です。
このように、「x
を一人ぼっちにするために、邪魔なものを消す操作を両辺にしてあげる」のが、方程式の基本的な解き方です。