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1-3-4.係数の処理

方程式の中には、

$$0.5x$$

$$\frac{1}{2}x$$

のように、係数が小数や分数になっているものがあります。そのまま計算するとミスをしやすいため、計算を始める前に、式全体を整数だけのシンプルな形に変身させるのが鉄則です。

この変身に使う魔法も、やはり「等式の性質」です。「両辺に同じ数を掛けても良い」というルールが、ここで大活躍します。

小数がふくまれる方程式

係数に小数があった場合は、両辺に10や100、1000などを掛けて、小数点を消してしまいましょう。

【小数係数の処理】
全ての項が整数になるように、両辺に10や100を掛ける!

例題

方程式

$$0.3x – 1.2 = 0.1x$$

を解きなさい。

この式は小数第1位までなので、両辺を10倍すれば全ての項が整数になります。全ての項に掛けるのを忘れないように注意してください。

$$(0.3x – 1.2) \times 10 = (0.1x) \times 10$$

$$3x – 12 = x$$

見慣れた形になりましたね。あとは移項を使って解くだけです。

$$3x – x = 12$$

$$2x = 12$$

$$x = 6$$

分数がふくまれる方程式

係数に分数があった場合は、全ての分母の最小公倍数(さいしょうこうばいすう)を両辺に掛けて、分母を消して(払って)しまいましょう。

【分数係数の処理】
両辺に「全部分母の最小公倍数」を掛けて、分母をはらう!

例題

方程式

$$\frac{1}{2}x + 1 = \frac{1}{3}x$$

を解きなさい。

分母は23なので、最小公倍数は6です。全ての項に6を掛けます+1のような整数項にも掛け忘れないように、特に注意が必要です。

$$( \frac{1}{2}x + 1 ) \times 6 = ( \frac{1}{3}x ) \times 6$$

$$\frac{1}{2}x \times 6 + 1 \times 6 = \frac{1}{3}x \times 6$$

$$3x + 6 = 2x$$

分母が消えてスッキリしました。あとは移項して解きます。

$$3x – 2x = -6$$

$$x = -6$$

小数や分数が出てきたら、慌てず、まず最初に全ての項を整数にする!この一手間が、計算ミスをなくす一番の近道です。


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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