ここから、中学校数学の主役とも言える「関数(かんすう)」が登場します。関数と聞くと難しく感じるかもしれませんが、その正体は「ともなって変わる2つの数量の関係」を表す、とても便利な考え方です。
私たちの身の回りには、片方が変わると、もう片方もつられて変わるものがたくさんあります。例えば、ジュースを買う本数が変われば、合計金額も変わりますよね。このような関係の中に、関数は隠れています。
関数のたった一つのルール
たくさんの「ともなって変わる関係」のうち、「関数」と呼べるものには、たった一つだけ絶対的なルールがあります。
ともなって変わる2つの変数\(x\)と\(y\)があり、
\(x\)の値を1つ決めると、それに対応する\(y\)の値もただ1つに決まる関係のこと。
これを「\(y\)は\(x\)の関数である」と言います。入力(\(x\))が決まれば、出力(\(y\))が必ず一つに決まる、まるで自動販売機のような関係だとイメージしてください。
「関数」である例・「関数」ではない例
例1:関数である関係(買い物の代金)
「1冊100円のノートを\(x\)冊買ったときの代金を\(y\)円とする。」
この関係では、\(x\)の値(買う冊数)を例えば「3冊」と決めると、\(y\)の値(代金)は必ず「300円」に決まります。他の金額になることはありません。これはまさに関数のルール通りなので、\(y\)は\(x\)の関数です。
$$y = 100x$$
例2:関数ではない関係(年齢と身長)
「あるクラスの生徒の年齢を\(x\)才、身長を\(y\)cmとする。」
この関係では、\(x\)の値を「13才」と決めても、身長\(y\)は150cmの人もいれば160cmの人もいて、値が1つに決まりません。このような関係は、関数とは呼びません。
これから、この関数の考え方をベースに、「比例」や「反比例」といった、より具体的な関数の世界を探検していきます!