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1-4-2.比例の意味

関数の中でも、最も基本的で重要な関係が「比例(ひれい)」です。比例は、私たちの生活のいたるところに隠れています。例えば、買い物の代金や、同じ速さで進むときの時間と道のりの関係などです。

比例とは、一言でいうと「片方が2倍、3倍になると、もう片方も2倍、3倍になる」という、とても素直な関係のことです。

比例の定義

ともなって変わる2つの変数\(x\)と\(y\)があり、\(x\)と\(y\)の間に

$$y = ax$$

という関係が成り立つとき、「\(y\)は\(x\)に比例する」と言います。

この式に出てくるaは、「比例定数(ひれいていすう)」と呼ばれる、決まった数(定数)です。この比例定数aこそが、その比例関係の性格を決める、とても重要なカギになります。

比例の性質を調べてみよう

具体的な例として、時速5kmで歩くときの時間と道のりの関係を見てみましょう。歩く時間を\(x\)時間、進む道のりを\(y\)kmとすると、関係式は次のようになります。

$$y = 5x$$

この式の比例定数は 5 ですね。では、\(x\)の値が変化すると\(y\)の値がどう変わるか、表にしてみましょう。

\(x\) (時間) 1 2 3 4
\(y\) (道のり) 5 10 15 20

この表から、比例の2つの重要な性質が見えてきます。

【比例の性質】
\(x\)の値が2倍、3倍、…になると、\(y\)の値も2倍、3倍、…になる
対応する\(x\)と\(y\)の商(\(y \div x\))の値は、常に一定で比例定数aに等しい

実際に表で確認してみましょう。
性質②より、どの縦のペアを見ても \(y \div x\) を計算すると、\(5 \div 1 = 5\)、\(10 \div 2 = 5\)、\(15 \div 3 = 5\) のように、必ず比例定数の5になっていますね。

この性質を使えば、「これは比例の関係かな?」と思ったときに、本当に比例かどうかを確かめることができます。


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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