比例の関係 \(y=ax\) は、グラフにすることで、その関係性を目で見て直感的に理解することができます。比例のグラフには、誰が見ても一瞬で「これは比例だ!」と分かる、とてもシンプルで美しい特徴があります。
比例のグラフの2大特徴
比例 \(y=ax\) のグラフには、絶対に変わらない2つの大きな特徴があります。
① 必ず原点(げんてん)を通る、まっすぐな線(直線)になる。
② 比例定数\(a\)の符号によって、直線の傾き(向き)が決まる。
比例定数\(a\)とグラフの向き
・\(a>0\)(aが正の数)のとき → 右上がりの直線になります。
・\(a<0\)(aが負の数)のとき → 右下がりの直線になります。
比例のグラフの書き方
グラフは直線なので、通る点が2つ分かれば書くことができます。
例題: \(y = 2x\) のグラフを書きなさい。
- 原点(0,0)に点を打つ。
比例のグラフは必ず原点を通ります。これが1つ目の点です。 - もう1つの点を見つける。
\(x\)に好きな数を代入します(0
以外で簡単な数がおすすめ)。例えば、\(x=1\)を代入すると…$$y = 2 \times 1 = 2$$
となり、座標は
(1, 2)
だと分かります。これが2つ目の点です。 - 2つの点を定規で結ぶ。
原点(0,0)
と点(1,2)
を、定規を使ってまっすぐな線で結べば、グラフの完成です!
グラフから式を求める方法
今度は逆に、グラフを見て、それがどんな式で表されるのかを読み取ってみましょう。
例題:下のグラフの式を求めなさい。
手順①:比例の式だと見抜く。
グラフが「原点を通る直線」なので、これは比例のグラフだと分かります。したがって、式の形は\(y=ax\)に決まります。私たちの仕事は、比例定数a
を見つけることです。
手順②:グラフが通る、原点以外の座標を1つ見つける。
グラフをよく見ると、点が(2, 6)
の座標をきれいに通過していることが分かります。
手順③:座標を \(y=ax\) に代入する。
見つけた座標 \(x=2\), \(y=6\) を式の\(x\)と\(y\)に代入します。
$$6 = a \times 2$$
手順④:a
についての方程式を解く。
$$a = \frac{6}{2} = 3$$
これで比例定数a
が3
だと判明しました。これを \(y=ax\) に戻して、式の完成です。
答え:\(y = 3x\)