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1-4-4.反比例の意味

関数の世界には、比例とは正反対の性格を持つ、もう一人の主役がいます。それが「反比例(はんぴれい)」です。

比例が「片方が2倍、3倍になると、もう片方も2倍、3倍になる」という素直な関係だったのに対し、反比例は「片方が2倍、3倍になると、もう片方は1/2倍、1/3倍になる」という、まるでシーソーのような関係です。

反比例の定義

ともなって変わる2つの変数\(x\)と\(y\)があり、\(x\)と\(y\)の間に

$$y = \frac{a}{x}$$

という関係が成り立つとき、「\(y\)は\(x\)に反比例する」と言います。

この式に出てくるaは、比例のときと同じく「比例定数(ひれいていすう)」です。反比例では、この比例定数aは「常に一定になる積」という重要な意味を持っています。

反比例の最も大事な性質

反比例の式 \(y = \frac{a}{x}\) の両辺に\(x\)を掛けると、次の形に変形できます。

【反比例の性質】
反比例の関係では、対応する\(x\)と\(y\)の積(\(xy\))は、常に一定で比例定数aに等しい

$$xy = a$$

この「掛けると常に同じ数になる」というのが、反比例を見抜くための最大のポイントです。

反比例の性質を調べてみよう

具体的な例として、「面積が12cm²の長方形」を考えてみましょう。縦の長さを\(x\)cm、横の長さを\(y\)cmとすると、その関係は「縦 × 横 = 面積」なので、次の式が成り立ちます。

$$xy = 12$$

これはまさに反比例の関係ですね。比例定数は12です。\(x\)と\(y\)がどう変化するか、表で見てみましょう。

\(x\) (縦の長さ) 1 2 3 4
\(y\) (横の長さ) 12 6 4 3

この表を見ると、\(x\)が1から2へと2倍になると、\(y\)は12から6へと1/2倍になっていることが分かります。そして、どの縦のペアを掛けても、\(1 \times 12 = 12\)、\(2 \times 6 = 12\)、\(3 \times 4 = 12\) のように、積は必ず比例定数の12になっていますね。


理解度チェック

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