比例のグラフが「原点を通る直線」だったのに対し、反比例 \(y = \frac{a}{x}\) のグラフは、全く違うユニークな形をしています。その形と特徴をしっかり掴みましょう。
反比例のグラフは、「双曲線(そうきょくせん)」と呼ばれる、なめらかな2本のペアになった曲線を描きます。
反比例のグラフの特徴
① 原点を通らない、なめらかな2本の曲線(双曲線)になる。
② 曲線はx軸やy軸に限りなく近づくが、決して交わらない。
③ 比例定数\(a\)の符号によって、曲線が現れる場所が決まる。
比例定数\(a\)とグラフの場所
・\(a>0\)(aが正の数)のとき → 曲線は第1象限と第3象限に現れます。
・\(a<0\)(aが負の数)のとき → 曲線は第2象限と第4象限に現れます。
反比例のグラフの書き方
反比例のグラフは曲線なので、点をいくつか見つけて、それらを滑らかに結んで描きます。
例題: \(y = \frac{6}{x}\) のグラフを書きなさい。
- 座標のペアを見つけるため、表を作る。
曲線を描くには、なるべく多くの点が必要です。 x
に、比例定数6
の約数を代入する。
分数を避けるため、x
に比例定数a
の約数(正負両方)を代入すると、y
が整数になり点を打ちやすくなります。\(x\) -6 -3 -2 -1 … 1 2 3 6 \(y\) -1 -2 -3 -6 … 6 3 2 1 - 点を取り、なめらかに結ぶ。
表の点を座標平面に打ち、定規を使わずにフリーハンドで、軸に触れないように注意しながら2本の滑らかな曲線を描けば完成です。
グラフから式を求める方法
グラフを見て、その式を求める方法です。反比例の性質「\(xy=a\)」を使うと一瞬で求められます。
例題:下のグラフの式を求めなさい。
手順①:反比例の式だと見抜く。
グラフが「双曲線」なので、これは反比例のグラフだと分かります。したがって、式の形は\(y=\frac{a}{x}\)です。
手順②:グラフが通る、整数の座標を1つ見つける。
グラフをよく見ると、点が(3, 4)
の座標をきれいに通過しています。
手順③:座標を \(xy=a\) に代入して比例定数を求める。
見つけた座標 \(x=3\), \(y=4\) を使って、積を計算します。
$$a = x \times y = 3 \times 4 = 12$$
比例定数a
が12
だと判明しました。これを \(y=\frac{a}{x}\) に戻して、式の完成です。
答え:
$$y = \frac{12}{x}$$