この単元の締めくくりです。グラフを一目見ただけで、それが「比例」なのか「反比例」なのかを鑑定し、さらにそのグラフの式まで特定する「グラフ探偵」のテクニックをマスターしましょう。
グラフ探偵のチェックリスト
グラフを見たら、まず次の2つの質問を自分に問いかけて、グラフの種類を特定します。
質問①:グラフは、原点を通る「直線」ですか?
【YESの場合】→ 比例のグラフです。式の形は \(y=ax\) に決まります。
質問②:グラフは、原点を通らない「2本の曲線」ですか?
【YESの場合】→ 反比例のグラフです。式の形は \(y = \frac{a}{x}\) に決まります。
例題で実践してみよう
グラフの種類を特定したら、次は比例定数a
を見つけて式を完成させます。
例題1
下のグラフが表す式を求めなさい。
手順①:グラフの種類を特定する
グラフは「原点を通る直線」なので、比例の関係です。したがって、式の形は \(y=ax\) と分かります。
手順②:通る座標を1つ見つける
グラフは原点の他に、点(2, -6)
を通過しています。
手順③:座標を代入してa
を求める
\(y=ax\) の式に、\(x=2\), \(y=-6\) を代入します。
$$-6 = a \times 2$$
この方程式を解くと、\(a = -3\) となります。
手順④:式を完成させる
比例定数a
が-3
だと分かったので、答えは次のようになります。
答え:
$$y = -3x$$
例題2
下のグラフが表す式を求めなさい。
手順①:グラフの種類を特定する
グラフは「原点を通らない2本の曲線」なので、反比例の関係です。したがって、式の形は \(y = \frac{a}{x}\) です。
手順②:通る座標を1つ見つける
グラフ上の読み取りやすい点を探すと、(4, 3)
を通過していることが分かります。
手順③:座標を使ってa
を求める
反比例の性質 \(xy = a\) を使うのが最も簡単です。\(x=4\), \(y=3\) を代入します。
$$a = 4 \times 3 = 12$$
手順④:式を完成させる
比例定数a
が12
だと分かったので、答えは次のようになります。
答え:
$$y = \frac{12}{x}$$
まとめ
グラフの鑑定は、①形を見て比例か反比例か判断し、②通る点を1つ見つけて代入する、という流れで行います。この手順で、どんなグラフも式に翻訳することができますね!