ここからは、数字や式の世界から少し離れて、点や線、角などで作られる「図形」の世界を探検します。図形を正確に、そして効率的に表現するために、数学では世界共通の「記号」を使います。まずは、この図形の世界の共通言語をマスターしましょう。
点と線の表し方
図形の最も基本的な要素は、点と線です。これらを正確に区別して表現する方法を覚えます。
点 (Point)
点は、A, B, P, Q
のように、アルファベットの大文字で表します。
直線・線分・半直線
「2点A, Bを通る線」と言っても、図形の世界では次の3種類を厳密に区別します。
- 線分 (せんぶん) AB: 点Aから点Bまでで、両端が終わっている線。長さが決まっています。
- 直線 (ちょくせん) AB: 点Aと点Bを通り、両側に限りなく伸び続ける線。
- 半直線 (はんちょくせん) AB: 点Aを端として、点Bの方向に限りなく伸び続ける線。始まる点が先に書かれるのがルールです。(半直線BAは、Bが端になります)
角と図形の表し方
線と線が交わると「角」が、線で囲まれると「三角形」などの図形が生まれます。
角 (Angle)
記号∠
を使って表します。例えば、点Bが角の頂点(とがった部分)である場合、∠ABC
のように書きます。
【重要】角の頂点は、必ず3文字の真ん中に書きます。文脈から明らかな場合は∠B
と書くこともあります。
$$∠ABC \quad (または \quad ∠CBA)$$
三角形 (Triangle)
記号△
を使って表します。3つの頂点A, B, Cを持つ三角形は△ABC
と書きます。
$$△ABC$$
線と線の関係を表す記号
2本の直線がどのような位置関係にあるかを示す、とても便利な記号です。
平行 (Parallel) と 垂直 (Perpendicular)
平行 (へいこう): 2本の直線がどこまでいっても交わらない関係。
記号は//
を使い、直線ABと直線CDが平行なことをAB // CD
と書きます。
垂直 (すいちょく): 2本の直線が直角(90°)に交わる関係。
記号は⊥
を使い、直線ABと直線CDが垂直なことをAB ⊥ CD
と書きます。
これらの記号を使いこなせると、複雑な図形の説明も、短く正確に伝えられるようになります!