【ちょっと寄り道コラム】直線・半直線・線分、3兄弟の見分け方
「線」は「線」でしょ?と思ったそこの君! 日常会話ではそれでOKですが、数学の世界では、この3つをしっかり区別しないと、とんでもない勘違いにつながることがあります。ここでは、似ているようで全く性格が違う「線」の3兄弟を紹介します。
長男「線分」- 始まりと終わりがある安心感
点Aから点Bまでを結んだピッタリその区間だけが線分ABです。始まりと終わりの両方があるので、長さを測ることができます。
次男「直線」- どこまでも続く道
点Aと点Bを通り、両側にどこまでも無限に伸び続けていく線、それが直線ABです。始まりも終わりもないので、長さを測ることはできません。
三男「半直線」- 片道切符の冒険家
「点A」という出発点(端点)はありますが、ゴールがありません。「点A」から「点B」の方向へ無限に飛んでいくのが半直線ABです。「半直線BA」とは出発点が違うので全くの別人です。
定規は直線を引くためだけに使い、長さを測るために目盛りを使ってはいけません。コンパスは、円を描いたり、長さを写し取ったりするために使います。この2つの道具だけで、様々な図形を正確に描くことができます。
① 垂直二等分線(すいちょくにとうぶんせん)の作図
垂直二等分線とは?
ある線分の中点を通り、その線分に垂直な直線のこと。
この作図は、線分のど真ん中を見つけたいときや、90°の角度を作りたいときに使います。
作図の手順(線分AB)
- 点Aにコンパスの針を置き、線分ABの半分より長めにコンパスを開いて円(または弧)を描く。
- コンパスの幅は変えずに、今度は点Bに針を置き、同じように円(または弧)を描く。
- 2つの円(弧)が交わった2つの点を、定規でまっすぐに結ぶ。
この引いた直線が、線分ABの垂直二等分線になります。
② 角の二等分線(かくのにとうぶんせん)の作図
角の二等分線とは?
1つの角を、ちょうど半分に分ける半直線のこと。
角度を正確に半分にしたいときに使う、とても便利な作図です。
作図の手順(∠XOY)
- 角の頂点Oにコンパスの針を置き、適当な幅で円を描き、辺OX, OYとの交点をそれぞれA, Bとする。
- 点Aにコンパスの針を置き、円(または弧)を描く。
- コンパスの幅は変えずに、今度は点Bに針を置き、同じように円(または弧)を描く。
- 2つの円(弧)が交わった点(Pとする)と、頂点Oを定規でまっすぐに結ぶ。
この引いた半直線OPが、∠XOYの二等分線になります。
③ 垂線(すいせん)の作図
垂線とは?
ある直線に対して、垂直(90°)に交わる直線のこと。
「直線l上にない点Pを通る垂線」や「直線l上にある点Pを通る垂線」など、様々なパターンがありますが、基本は垂直二等分線の考え方を応用したものです。
これらの基本的な作図は、より複雑な図形を描くための部品(パーツ)となります。手順をしっかり覚えて、正確に描けるように練習しましょう!