立体の学習のハイライトの一つが、「表面積(ひょうめんせき)」の計算です。表面積とは、その立体のすべての面の面積を合計したものです。プレゼントを包装紙で包むとき、どれくらいの紙が必要かを計算するようなイメージですね。
表面積を求めるための最強の武器は、前回学んだ「展開図」です。立体を平面に広げた展開図の面積を計算すれば、それがそのまま表面積になります。
表面積は、底面(上下のフタ)の面積「底面積」と、側面全体の面積「側面積」の合計で求められます。
$$表面積 = 底面積 + 側面積$$
角柱・円柱の表面積
角柱や円柱のように、上下に2つの同じ底面がある立体では、底面積を2倍するのを忘れないようにしましょう。(表面積 = 底面積 × 2 + 側面積)
例題:円柱の表面積
①底面積を求める
底面は半径r
の円なので、面積は \( \pi r^2 \) です。上下に2つあるので、合計は \( 2\pi r^2 \) となります。
②側面積を求める
側面を展開すると長方形になります。この長方形の「高さ」は円柱の高さh
、「横の長さ」は底面の円周と同じ長さなので \( 2\pi r \) です。したがって、側面積は \( 2\pi r \times h = 2\pi rh \) となります。
③合計する
①と②を足し合わせれば、表面積の公式が完成します。
$$表面積 = 2\pi r^2 + 2\pi rh$$
角錐・円錐の表面積
角錐や円錐のように、底面が1つしかない立体では、表面積 = 底面積 + 側面積 となります。
例題:円錐の表面積
円錐の表面積は、底面の円と側面のおうぎ形を足し合わせます。円錐の斜線の部分の長さを母線(ぼせん)と言い、l
で表します。
①底面積を求める
底面は半径r
の円なので、面積は \( \pi r^2 \) です。
②側面積を求める
側面を展開するとおうぎ形になります。このおうぎ形の半径は母線l
、弧の長さは底面の円周と同じ長さなので \( 2\pi r \) です。おうぎ形の面積の裏ワザ公式 \( S = \frac{1}{2}lr \) を使うと、側面積は \( \frac{1}{2} \times (2\pi r) \times l = \pi rl \) となります。
③合計する
①と②を足し合わせます。
$$表面積 = \pi r^2 + \pi rl$$
球の表面積
球には展開図がありません。そのため、表面積は公式として覚える必要があります。
球の表面積の公式(半径r)
$$S = 4\pi r^2$$
語呂合わせ「心配ある事情(しんぱいあるじじょう → 4πr²)」で覚えるのがおすすめです!