ここからは、集めたデータ(資料)を整理し、その特徴を読み取る「資料の活用」という新しい単元に入ります。
例えば、クラス40人全員の身長をただズラッと並べられても、「このクラスは背が高い人が多いのかな?」といった特徴は分かりにくいですよね。そんな、たくさんのバラバラなデータを分かりやすく整理するための最強の道具が「度数分布表(どすうぶんぷひょう)」です。
度数分布表の各部分の名前と意味
まず、下の表は、あるクラスの生徒20人のハンドボール投げの記録を整理した度数分布表です。この表を例に、各部分の名前と役割を覚えましょう。
階級 (m) | 階級値 (m) | 度数 (人) |
---|---|---|
10以上 〜 14未満 | 12 | 3 |
14 〜 18 | 16 | 6 |
18 〜 22 | 20 | 7 |
22 〜 26 | 24 | 4 |
合計 | – | 20 |
① 階級(かいきゅう)
データを整理するための「区間」のことです。上の表では、「10m以上14m未満」などが階級にあたります。
② 階級の幅(かいきゅうのはば)
一つの階級の区間の大きさのことです。上の表では、\(14 – 10 = 4\) なので、階級の幅は4mです。
③ 度数(どすう)
それぞれの階級に入っているデータの「個数」のことです。上の表では、「14m以上18m未満」の階級に入っている人数、つまり度数は6人です。
④ 階級値(かいきゅうち)
各階級の「真ん中の値」のことです。この値は、その階級を代表する値として、平均値を求めるときなどに使います。
階級値 = (階級の始まりの値 + 終わりの値) ÷ 2
例:「10以上14未満」の階級値は
$$(10 + 14) \div 2 = 12$$
(m) となります。
度数分布表から何がわかる?
度数分布表の目的は、データの「分布」の様子、つまり「どのあたりにデータがたくさん集まっているか」を、ひと目でわかるようにすることです。
上の表を一目見れば、
- 「18m以上22m未満」の度数が7人と最も多い。
- 全体的に、14mから26mの間にほとんどの生徒が集まっている。
といった特徴が、生のデータを眺めるよりもずっと簡単につかめます。このように、度数分布表は、たくさんのデータを要約して見やすくするための、非常に優れた整理術なのです。