度数分布表などでデータを整理すると、その集団の「真ん中」や「特徴」を一つの数値で代表して表したくなります。このような、資料全体の特徴を表す値のことを「代表値(だいひょうち)」と言います。ここでは、中学数学で学ぶ3つの重要な代表値を見ていきましょう。
例として、5人の生徒が受けた10点満点の小テストの点数を使ってみます。
【データ】 2点, 10点, 5点, 8点, 5点
① 平均値(へいきんち)
平均値とは?
すべてのデータの値を合計し、データの個数で割った値のこと。小学校で習った「平均」と同じです。すべての値を「平らにならす」というイメージです。
計算方法
$$平均値 = \frac{データの値の合計}{データの個数}$$
【例】
$$(2+10+5+8+5) \div 5 = 30 \div 5 = 6$$
このテストの平均値は6点です。
② 中央値(ちゅうおうち)/ メジアン
中央値とは?
データを大きさの順に並べたとき、ちょうど中央(真ん中)にくる値のこと。メジアンとも呼ばれます。
求め方
まず、データを小さい順に並べ替えます。
2, 5, 5, 8, 10
【データの個数が奇数の場合】
真ん中の値がそのまま中央値になります。このデータは5個(奇数)なので、真ん中(3番目)の値である5点が中央値です。
【データの個数が偶数の場合】
もしデータが6個で「2, 5, 5, 8, 10, 12」だった場合、真ん中は3番目の5
と4番目の8
の2つになります。この場合、真ん中の2つの値の平均値を中央値とします。
$$(5+8) \div 2 = 6.5$$
中央値は6.5点となります。
③ 最頻値(さいひんち)/ モード
最頻値とは?
データの中で、最も度数が多い(最も頻繁に出てくる)値のこと。モードとも呼ばれます。
求め方
データの中で、一番多く登場する値を探すだけです。
2, 5, 5, 8, 10
5
が2回登場し、他は1回ずつです。したがって、最頻値は5点です。
+範囲(レンジ)と最大値・最小値
データの散らばり具合を見るために、以下の言葉も重要です。
最大値・最小値・範囲
最大値:データの中で最も大きい値。(例では10点)
最小値:データの中で最も小さい値。(例では2点)
範囲(レンジ):最大値と最小値の差のこと。
$$範囲 = 最大値 – 最小値$$
例では、\(10 – 2 = 8\) なので、範囲は8点です。