1年生で学んだ「代入」を覚えていますか? 文字式の中の文字を、具体的な数字に置き換えて計算し、その式の最終的な値を求めることでしたね。2年生では、代入する式が少し複雑になりますが、基本的な考え方は全く同じです。
しかし、2年生では新しいテクニックが登場します。それは、「式を簡単にしてから代入する」という、計算ミスを劇的に減らすことができる超重要スキルです!
代入の基本手順
手順①:代入する先の式を、まずできる限り簡単にする。(同類項をまとめる、分配法則を使うなど)
手順②:文字に数字を代入する。(負の数の代入はカッコをつける!)
手順③:計算して式の値を求める。
この「手順①:式を簡単にする」という一手間が、計算のスピードと正確さを大きく向上させます。
例題でテクニックを比較しよう
例題: \(x=5, y=-2\) のとき、\(4(x+2y) – (3x-y)\) の式の値を求めなさい。
方法1:いきなり代入する(大変な方法)
式をそのままにして、\(x\)と\(y\)に数字を代入してみましょう。
$$4 \times (5 + 2 \times (-2)) – (3 \times 5 – (-2))$$
カッコの中をそれぞれ計算して…
$$= 4 \times (5 – 4) – (15 + 2)$$
$$= 4 \times 1 – 17$$
$$= 4 – 17 = -13$$
計算が複雑で、符号ミスなどが起こりやすそうですね。
方法2:式を簡単にしてから代入する(オススメの方法)
手順①:まず、式そのものを計算して簡単にします。
分配法則と、引き算のカッコの外し方に注意して計算します。
$$4(x+2y) – (3x-y) = 4x + 8y – 3x + y$$
同類項をまとめると…
$$= x + 9y$$
手順②:この簡単になった式に代入します。
\(x=5, y=-2\) を \(x+9y\) に代入します。
$$= (5) + 9 \times (-2)$$
$$= 5 – 18 = -13$$
どうでしょうか? どちらの方法でも答えは同じ「-13」になりましたが、式を簡単にしてから代入する方が、計算がずっと楽で、間違いにくそうだと感じませんか?
複雑な式ほど、この「先に式を簡単にする」というテクニックの効果は絶大です。急がば回れで、この手順をしっかり身につけましょう!