一次関数 \(y=ax+b\) は、グラフにすると必ず「直線」になります。そして、その直線の傾きや位置は、式の中の \(a\) と \(b\) の値によってすべて決まります。ここでは、式からグラフを書き、グラフから式を読み取る方法を学びましょう。
グラフを書くための2つの重要なキーワードが「切片(せっぺん)」と「傾き(かたむき)」です。
一次関数のグラフの書き方
\(y=ax+b\) のグラフは、次の手順で誰でも簡単に書くことができます。
グラフ作成の3ステップ
- 切片(\(b\))の点を、y軸上にとる。(スタート地点)
- 傾き(\(a\))を使って、2つ目の点を見つける。
- 2つの点を定規で結ぶ。
例題:一次関数 \(y = \frac{2}{3}x + 1\) のグラフを書きなさい。
手順①:切片の点をとる
この式の切片\(b\)は「+1」です。まず、y軸上の「1」の点(座標 (0, 1)
)に印をつけます。ここがグラフのスタート地点です。
手順②:傾きを使って2つ目の点を見つける
傾き\(a\)は「\(\frac{2}{3}\)」です。傾きは「\(\frac{yの増加量}{xの増加量}\)」を意味します。つまり、「x軸方向に右へ3進み、y軸方向に上へ2進む」という移動を表します。
スタート地点の (0, 1)
から、右に3、上に2だけ進んだ点 (3, 3)
を見つけ、印をつけます。
手順③:2点を結ぶ
(0, 1)
と(3, 3)
の2つの点を、定規を使ってまっすぐな線で結べば、グラフの完成です!
グラフから式を読み取る方法
今度は逆に、描かれているグラフから、そのグラフがどんな式なのかを読み取る方法です。やることは、グラフの書き方の逆です。
例題:下のグラフが表す一次関数の式を求めなさい。
手順①:切片(\(b\))を読み取る
グラフがy軸と交わっている点を探します。このグラフでは、y軸上の「3」の点(座標 (0, 3)
)で交わっていますね。したがって、切片\(b\)は3です。
手順②:傾き(\(a\))を読み取る
グラフがきれいに通っている、もう一つの格子点(整数の座標)を探します。このグラフでは、点 (2, -1)
を通っています。
切片の点 (0, 3)
から点 (2, -1)
まで、xとyがそれぞれいくつ変化したかを見ます。
・xの増加量:0から2へ → +2
・yの増加量:3から-1へ → -4
傾きは「\(\frac{yの増加量}{xの増加量}\)」なので、
$$a = \frac{-4}{2} = -2$$
手順③:式を完成させる
傾き\(a\)が-2、切片\(b\)が3だと分かったので、これらを \(y=ax+b\) に当てはめて、式が完成します。
$$答え:y = -2x + 3$$