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2-3-2.グラフの書き方と見方

一次関数 \(y=ax+b\) は、グラフにすると必ず「直線」になります。そして、その直線の傾きや位置は、式の中の \(a\) と \(b\) の値によってすべて決まります。ここでは、式からグラフを書き、グラフから式を読み取る方法を学びましょう。

グラフを書くための2つの重要なキーワードが「切片(せっぺん)」「傾き(かたむき)」です。

一次関数のグラフの書き方

\(y=ax+b\) のグラフは、次の手順で誰でも簡単に書くことができます。

グラフ作成の3ステップ

  1. 切片(\(b\))の点を、y軸上にとる。(スタート地点)
  2. 傾き(\(a\))を使って、2つ目の点を見つける。
  3. 2つの点を定規で結ぶ。

例題:一次関数 \(y = \frac{2}{3}x + 1\) のグラフを書きなさい。

手順①:切片の点をとる
この式の切片\(b\)は「+1」です。まず、y軸上の「1」の点(座標 (0, 1))に印をつけます。ここがグラフのスタート地点です。

手順②:傾きを使って2つ目の点を見つける
傾き\(a\)は「\(\frac{2}{3}\)」です。傾きは「\(\frac{yの増加量}{xの増加量}\)」を意味します。つまり、「x軸方向に右へ3進み、y軸方向に上へ2進む」という移動を表します。
スタート地点の (0, 1) から、右に3、上に2だけ進んだ点 (3, 3) を見つけ、印をつけます。

手順③:2点を結ぶ
(0, 1)(3, 3)の2つの点を、定規を使ってまっすぐな線で結べば、グラフの完成です!

グラフから式を読み取る方法

今度は逆に、描かれているグラフから、そのグラフがどんな式なのかを読み取る方法です。やることは、グラフの書き方の逆です。

例題:下のグラフが表す一次関数の式を求めなさい。

手順①:切片(\(b\))を読み取る
グラフがy軸と交わっている点を探します。このグラフでは、y軸上の「3」の点(座標 (0, 3))で交わっていますね。したがって、切片\(b\)は3です。

手順②:傾き(\(a\))を読み取る
グラフがきれいに通っている、もう一つの格子点(整数の座標)を探します。このグラフでは、点 (2, -1) を通っています。
切片の点 (0, 3) から点 (2, -1) まで、xとyがそれぞれいくつ変化したかを見ます。
・xの増加量:0から2へ → +2
・yの増加量:3から-1へ → -4
傾きは「\(\frac{yの増加量}{xの増加量}\)」なので、

$$a = \frac{-4}{2} = -2$$

手順③:式を完成させる
傾き\(a\)が-2、切片\(b\)が3だと分かったので、これらを \(y=ax+b\) に当てはめて、式が完成します。

$$答え:y = -2x + 3$$


理解度チェック

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