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2-3-4.一次関数の利用(現実問題への応用)

一次関数の最強の武器は、現実世界のさまざまな状況を、\(y=ax+b\)というシンプルな数式モデルで表現し、未来を予測できることです。例えば、天気予報で気温の変化を予測したり、お店の売上を分析したりするのにも、一次関数の考え方が使われています。

文章題を解くコツは、問題文のストーリーの中から「最初の量(スタート地点)」「変化のペース」を見つけ出し、それぞれを「切片」と「傾き」に対応させることです。

文章題の攻略マニュアル

  1. 何が\(x\)で、何が\(y\)かを確認する。(\(x\)は時間など変化する元、\(y\)はその結果)
  2. 「スタートの値(\(x=0\)のときの値)」を見つける → これが切片\(b\)になる。
  3. 「\(x\)が1増えるごとに、\(y\)がどれだけ増減するか」を見つける → これが傾き\(a\)になる。
  4. \(y=ax+b\)の式を完成させ、問題に答える。

例題で手順をマスターしよう

例題

Aさんは、家から1600m離れた駅に向かって、分速60mの速さで歩き始めました。
家を出発してから\(x\)分後の、駅までの残り道のりを\(y\)mとします。


問1:\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。

手順①:切片\(b\)を見つける
切片は「スタート地点(\(x=0\)のとき)」の\(y\)の値です。出発する前(0分後)は、駅までの残り道のりはそのまま1600mですね。したがって、\(b=1600\)です。

手順②:傾き\(a\)を見つける
傾きは「1分あたりに\(y\)(残り道のり)がどれだけ変化するか」です。分速60mで駅に近づくので、残り道のりは1分あたり60m減っていきます。したがって、\(a=-60\)です。(増える場合はプラス、減る場合はマイナスになるので注意!)

手順③:式を完成させる
\(y=ax+b\)に\(a=-60, b=1600\)を当てはめます。

$$答え:y = -60x + 1600$$


問2:出発してから15分後の、駅までの残り道のりは何mですか?

問1で作った式を使います。「15分後」は\(x=15\)ということなので、式に代入します。

$$y = -60 \times (15) + 1600$$

$$y = -900 + 1600 = 700$$

答え:700m


問3:駅に着くのは、出発してから何分後ですか?

「駅に着く」とは、「駅までの残り道のりが0mになる」ということですね。つまり、\(y=0\)のときの\(x\)の値を求めます。

$$0 = -60x + 1600$$

この方程式を解きます。

$$60x = 1600$$

$$x = \frac{1600}{60} = \frac{80}{3}$$

答え:\(\frac{80}{3}\)分後(帯分数で26と2/3分後)


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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