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2-5-6.証明問題の解き方

「証明」と聞くと、なんだか難しくて特別なことのように感じるかもしれません。しかし、図形の証明とは、「正しい根拠を積み重ねて、結論までのすじ道を論理的に説明する作業」であり、実は決まった「型」にはめて書くパズルのようなものです。

この単元では、その「証明の書き方の型」をマスターします。この型さえ身につければ、どんな証明問題にも自信を持って取り組むことができます。

証明問題のレシピ

三角形の合同を使った証明は、基本的に次のパーツを順番に並べていくことで完成します。

証明の基本構造(レシピ)

  1. どの三角形に注目するか宣言する
    △〇〇と△△△において、
  2. 等しい辺や角を、根拠と共に3つ見つけ出す
    (根拠)より、〇〇 = △△ ・・・ ①
    (根拠)より、〇〇 = △△ ・・・ ②
    (根拠)より、〇〇 = △△ ・・・ ③
  3. 使った合同条件を宣言する
    ①,②,③より、(3つの合同条件のうちのどれか)ので、
  4. 三角形の合同を宣言する
    △〇〇 ≡ △△△
  5. 結論を述べる
    合同な図形の対応する〇〇は等しいので、□□ = ☆☆

例題で証明を組み立ててみよう

例題

下の図で、点Mが線分ABと線分CDの中点であるとき、AC = DB となることを証明しなさい。

【証明のすじみち(頭の中の作戦会議)】
結論(ゴール)は「AC = DB」を示すこと。そのためには、「△AMCと△BMDが合同であること(\(△AMC ≡ △BMD\))」を言えれば良さそうだな。
証拠集め:合同を言うには証拠が3つ必要だ。

  • 「MがABの中点」→ これは「AM = BM」が使えるぞ。(証拠1)
  • 「MがCDの中点」→ これは「CM = DM」が使えるぞ。(証拠2)
  • あと1つは…? 図をよく見ると、∠AMCと∠BMDは「対頂角」だ! 対頂角は必ず等しい。(証拠3)

よし、「辺・角・辺」の順番で証拠が3つ集まった。「2組の辺とその間の角」の合同条件が使えそうだ!作戦が決まったら、レシピに沿って書いていこう。


【解答】

△AMCと△BMDにおいて、

仮定(問題文の条件)より、
AM = BM ・・・ ①
CM = DM ・・・ ②

対頂角は等しいので、
∠AMC = ∠BMD ・・・ ③

①, ②, ③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△AMC ≡ △BMD

合同な図形の対応する辺は等しいので、
AC = DB


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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