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2-6-2.場合の数の基礎(表や樹形図)

確率を求める公式は「\(\frac{(その事象が起こる場合の数)}{(起こりうるすべての事象の場合の数)}\)」でしたね。この「場合の数」を、もれなく、ダブりなく正確に数え上げることが、確率をマスターするための第一歩です。

ここでは、複雑な事象の場合の数を、整理しながら数え上げるための2つの強力な道具、「樹形図(じゅけいず)」「表(ひょう)」の使い方を学びます。

樹形図(じゅけいず)

樹形図は、ものごとが順番に起こる場合に、考えられるすべての結果を木の枝のように書き出していく方法です。特に、コインを複数回投げたり、くじを順番に引いたりする試行で威力を発揮します。

例題:3枚のコインを同時に投げるときの、表と裏の出方

1枚目、2枚目、3枚目のコインがそれぞれどうなるかを、順番に枝分かれさせて描いていきます。(表を「オ」、裏を「ウ」とします)

【樹形図の描き方】

  1. 1回目の試行:1枚目のコインは「オ」か「ウ」の2通り。
  2. 2回目の試行:1枚目が「オ」だった場合、2枚目は「オ」か「ウ」の2通り。1枚目が「ウ」だった場合も同様に枝分かれさせます。
  3. 3回目の試行:同じように、それぞれの結果からさらに枝分かれさせます。

最終的にできた枝の先端を数えることで、起こりうるすべての場合の数が分かります。この場合、全部で8通りあることが分かりますね。

表(ひょう)

表は、2つのものを組み合わせる場合に、そのすべての組み合わせを一覧にするのに便利な方法です。特に、2つのサイコロを同時に投げるときなどによく使われます。

例題:大小2つのサイコロを同時に投げるときの、目の出方

縦の列を「大きいサイコロの目」、横の行を「小さいサイコロの目」として、すべての組み合わせを表にまとめます。

小\大 1 2 3 4 5 6
1 (1,1) (1,2) (1,3) (1,4) (1,5) (1,6)
2 (2,1) (2,2) (2,3) (2,4) (2,5) (2,6)
3 (3,1) (3,2) (3,3) (3,4) (3,5) (3,6)
4 (4,1) (4,2) (4,3) (4,4) (4,5) (4,6)
5 (5,1) (5,2) (5,3) (5,4) (5,5) (5,6)
6 (6,1) (6,2) (6,3) (6,4) (6,5) (6,6)

この表を見れば、起こりうるすべての場合の数が \(6 \times 6 = 36\) 通りであることが一目で分かります。さらに、「出た目の和が7になる」のは (1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1) の6通りだな、ということも簡単に見つけ出すことができます。

どちらを使うべき?

樹形図:順序が関係する場合(コイン投げ、くじ引きなど)
:2つの要素の組み合わせを見る場合(サイコロ2個など)
どちらを使っても解けますが、問題に応じて使いやすい方を選ぶと、ミスなく素早く場合の数を数え上げることができます。


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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