樹形図や表を使えば、すべての場合の数を書き出すことができますが、パターンが多くなると大変です。そこで、場合の数を効率的に計算するための2つの強力な法則、「和の法則」と「積の法則」を学びましょう。
この2つの法則を使い分けるキーワードは、「または」なのか、それとも「そして(続けて)」なのか、です。
和の法則(「または」の場合)
いくつかの選択肢があり、そのうちのどれか一方だけを選ぶような状況で使います。
和の法則
2つの事柄A, Bについて、AとBが同時には起こらないとき、「AまたはBが起こる」場合の数は、
(Aが起こる場合の数)+(Bが起こる場合の数) で求められる。
例題
1から10までのカードが1枚ずつあります。この中から1枚引くとき、「3の倍数 または 4の倍数」が出るのは何通りですか?
【考え方】
引いたカードが3の倍数であり、同時に4の倍数であることはありません。このように、同時には起こらない事柄なので、「和の法則」が使えます。
- 3の倍数が出る場合:{3, 6, 9} の 3通り
- 4の倍数が出る場合:{4, 8} の 2通り
したがって、求める場合の数は2つの場合を足し算します。
$$3 + 2 = 5$$
答え:5通り
積の法則(「そして(続けて)」の場合)
ある操作に続いて、別の操作も行うような、一連の動作で起こる場合の数に使います。
積の法則
事柄Aの起こり方が\(m\)通りあり、そのそれぞれに対して事柄Bの起こり方が\(n\)通りあるとき、「Aに続いてBが起こる」場合の数は、
\(m \times n\) で求められる。
例題
A地点からB地点へ行く道が3本、B地点からC地点へ行く道が4本あります。AからBを通ってCへ行く道順は、全部で何通りですか?
【考え方】
AからBへ行く道(3通り)を選び、そのそれぞれに対して、BからCへ行く道(4通り)を選ぶことができます。これは「積の法則」が使える場面です。
$$3 \times 4 = 12$$
答え:12通り
これは、樹形図でAからBへの3本の枝のそれぞれから、さらに4本ずつの枝が伸びていくイメージと同じです。