「コインを3回投げて、3回とも表が出る確率は?」のように、同じ試行を何回か繰り返す場合や、いくつかの連続した試行を行う場合の確率の求め方を学びます。
ここでの最大のカギは、場合の数で学んだ「積の法則」を、確率の計算に応用することです。
独立な試行の確率
1回目のコイン投げの結果が、2回目のコイン投げの結果に影響を与えないように、それぞれの結果が互いに影響しあわない試行を「独立な試行」と言います。
確率の積の法則
互いに独立な2つの試行A, Bについて、「Aが起こり、そしてBも起こる」確率は、
(Aが起こる確率)×(Bが起こる確率) で求められる。
例題1:玉を1つずつ取り出し、色を調べてから袋に戻す試行
袋の中に、赤玉が3個、白玉が2個入っています。この袋から玉を1個取り出し、色を調べてから袋に戻し、もう一度玉を1個取り出します。このとき、2回とも赤玉である確率を求めなさい。
【考え方】
取り出した玉を袋に戻すので、1回目の試行と2回目の試行は互いに影響しません(独立です)。
- 1回目に赤玉が出る確率:\(\frac{3}{5}\)
- 2回目に赤玉が出る確率:\(\frac{3}{5}\)
「1回目に赤玉が出て、そして2回目にも赤玉が出る」確率なので、2つの確率を掛け算します。
$$確率 = \frac{3}{5} \times \frac{3}{5} = \frac{9}{25}$$
答え:\(\frac{9}{25}\)
複数の場合を考える確率
「少なくとも1回は〜」や「1回だけ〜」のように、条件に当てはまるパターンが複数ある場合は、それぞれのパターンが起こる確率を計算し、最後にそれらを足し合わせます。
例題2:コインを2回投げる試行
1枚のコインを2回投げるとき、表がちょうど1回だけ出る確率を求めなさい。
【考え方】
「表がちょうど1回だけ出る」という事象には、次の2つのパターンがあります。
①「1回目が表、2回目が裏」の場合
②「1回目が裏、2回目が表」の場合
これらは同時には起こらないので、それぞれの確率を求めてから「和の法則」で足し合わせます。
①の確率を求める
表が出る確率は\(\frac{1}{2}\)、裏が出る確率も\(\frac{1}{2}\)です。「1回目表 そして 2回目裏」なので、積の法則を使います。
$$P(表, 裏) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}$$
②の確率を求める
同様に、「1回目裏 そして 2回目表」の確率も、
$$P(裏, 表) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}$$
①と②の確率を足す
求める確率は「①の場合 または ②の場合」なので、2つの確率を足します。
$$全体の確率 = \frac{1}{4} + \frac{1}{4} = \frac{2}{4} = \frac{1}{2}$$
答え:\(\frac{1}{2}\)