中学3年生の数学へようこそ!最初に学ぶのは、数の世界をさらに広げる新しい概念、「平方根(へいほうこん)」です。
「2乗すると9になる数は?」と聞かれたら、皆さんは「3」と答えるでしょう。では、「2乗すると3になる数は?」と聞かれたらどうでしょうか。 \(1^2=1\)、\(2^2=4\) なので、1と2の間の数であることは分かりますが、整数や小数、分数では正確に表せません。このような数を表すために、新しい記号と考え方が登場します。
平方根とその表し方
平方根(へいほうこん)とは?
ある数\(x\)が、2乗すると\(a\)になるとき、\(x\)を\(a\)の平方根と言います。
例えば、2乗すると9になる数は、\(3 \times 3 = 9\) と \((-3) \times (-3) = 9\) の2つがあります。したがって、「9の平方根は?」と聞かれたら、答えは「3と-3」です。
平方根のポイント
正の数の平方根は、必ず「正の数」と「負の数」の2つがあり、絶対値は同じ。
0の平方根は0のみ。負の数の平方根は、中学校の範囲では考えません。
では、「2乗すると3になる数」のような、整数や分数で表せない数はどう書けばよいのでしょうか。そのために、ルート√
という記号を使います。
- 2乗すると3になる数のうち、正の数を\(\sqrt{3}\)(ルート3)と書く。
- 2乗すると3になる数のうち、負の数を\(-\sqrt{3}\)(マイナスルート3)と書く。
つまり、「3の平方根は?」と聞かれたら、答えは「\(\sqrt{3}\)と\(-\sqrt{3}\)」となります。まとめて\(\pm\sqrt{3}\)(プラスマイナスルート3)と書くことも多いです。
有理数と無理数
これまで私たちが扱ってきた、整数や、\(\frac{1}{2}\)のような分数で表せる数を「有理数(ゆうりすう)」と言います。
しかし、\(\sqrt{3}\)や\(\sqrt{2}\)などを小数で表すと、\(1.7320508\dots\)や\(1.41421356\dots\)のように、循環しない無限小数となり、分数で表すことができません。このような数を「無理数(むりすう)」と呼びます。
数の分類
- 有理数:分数で表せる数。(例:\(5, -2, 0.3, \frac{2}{7}\))
- 無理数:分数で表せない数。(例:\(\sqrt{2}, \sqrt{3}, \pi\)など)
平方根の学習は、この「無理数」という新しい数の仲間と出会う旅の始まりなのです。