平方根の掛け算と割り算は、足し算・引き算よりもルールがシンプルです。足し算・引き算ではルートの中の数字が同じでないと計算できませんでしたが、掛け算・割り算では、ルートの中の数字が違っていても計算できます。
平方根の乗法(掛け算)
乗法のルール
ルートの外の数は外の数どうし、中の数は中の数どうしで掛け算する!
$$a\sqrt{b} \times c\sqrt{d} = ac\sqrt{bd}$$
例題1
\(\sqrt{2} \times \sqrt{5}\) を計算しなさい。
ルートの中の数どうしを掛け合わせるだけです。
$$\sqrt{2 \times 5} = \sqrt{10}$$
例題2
\(3\sqrt{2} \times 4\sqrt{3}\) を計算しなさい。
ルートの外(係数)は \(3 \times 4 = 12\)。
ルートの中は \(2 \times 3 = 6\)。
これらを合わせます。
$$12\sqrt{6}$$
平方根の除法(割り算)
除法のルール
ルートの外の数は外の数どうし、中の数は中の数どうしで割り算する!
割り算は、分数の形にして約分するのが最も簡単で確実です。
$$\frac{a\sqrt{b}}{c\sqrt{d}} = \frac{a}{c}\sqrt{\frac{b}{d}}$$
例題3
\(\sqrt{15} \div \sqrt{3}\) を計算しなさい。
分数の形にして、ルートの中を約分します。
$$\frac{\sqrt{15}}{\sqrt{3}} = \sqrt{\frac{15}{3}} = \sqrt{5}$$
計算の仕上げ「有理化」
計算結果が \(\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}}\) のように、分母にルートが残ってしまった場合、分母をルートのない有理数になおす、という一手間が必要です。この作業を「分母の有理化(ゆうりか)」と言います。
有理化の方法
分母と同じルートの数を、分母と分子の両方に掛ける。
(\(\sqrt{a} \times \sqrt{a} = a\) となる性質を利用します)
例題4
\(\frac{6}{\sqrt{3}}\) を有理化しなさい。
分母の\(\sqrt{3}\)を消すために、分母と分子の両方に\(\sqrt{3}\)を掛けます。
$$\frac{6}{\sqrt{3}} = \frac{6 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}} = \frac{6\sqrt{3}}{3}$$
最後に、ルートの外の数を約分します。
$$2\sqrt{3}$$