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3-2-3.因数分解2(たすきがけ)

因数分解には、前回の公式には当てはまらない、最もよく登場するパターンがあります。それが `\(x^2+5x+6\)` のような、`\(x^2 + (\text{和})x + (\text{積})\)` の形です。

この因数分解は、まるで数字探しのパズルのようです。解き方のコツさえ掴めば、誰でもマスターできます。


目指す形とその仕組み

このタイプの因数分解では、最終的に `\((x+a)(x+b)\)` という形を目指します。この式を展開するとどうなるか、思い出してみましょう。

$$(x+a)(x+b) = x^2 + (a+b)x + ab$$

この展開結果と、もとの式 `\(x^2+5x+6\)` を見比べてみると、重要なヒントが隠されています。

因数分解のヒント

\(x^2 + \underline{5}x + \underline{\underline{6}}\) を \((x+a)(x+b)\) の形にするには…
足して5になり、掛けてになる、2つの数 \(a, b\) のペアを見つければよい!


「積」から探すのがセオリー

「足して〇、掛けて△」になるペアを探すときは、足し算の組み合わせよりも、掛け算の組み合わせの方が候補が少ないため、「積」から探すのが定石です。

例題1

\(x^2 + 7x + 12\) を因数分解しなさい。


手順①:「和」と「積」を確認する
足して「+7」掛けて「+12」になる2つの数を見つけるのがゴールです。

手順②:掛けて「+12」になる数のペアをリストアップする

  • 1 と 12 (和は13)
  • 2 と 6 (和は8)
  • 3 と 4 (和は7) ← これだ!
  • -1 と -12 (和は-13)
  • -2 と -6 (和は-8)
  • -3 と -4 (和は-7)

手順③:条件に合うペアを見つけて、式を完成させる
見つけたペアは「+3」と「+4」なので、これをカッコの中に入れます。

$$(x+3)(x+4)$$

例題2:負の数がある場合

\(x^2 – 3x – 10\) を因数分解しなさい。


手順①:「和」と「積」を確認する
足して「-3」掛けて「-10」になる2つの数を見つけます。

手順②:掛けて「-10」になる数のペアをリストアップする
積がマイナスなので、2つの数はプラスとマイナスのペアになります。

  • 1 と -10 (和は-9)
  • -1 と 10 (和は9)
  • 2 と -5 (和は-3) ← これだ!
  • -2 と 5 (和は3)

手順③:条件に合うペアを見つけて、式を完成させる
見つけたペアは「+2」と「-5」なので、これをカッコの中に入れます。

$$(x+2)(x-5)$$


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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