因数分解を使って二次方程式を解く方法はとても強力ですが、中には因数分解ができない、または非常に難しい式も存在します。そんなときに登場するのが、どんな二次方程式でも必ず解ける最強の道具、「解の公式(かいのこうしき)」です。
この公式は少し複雑に見えますが、式の係数(a, b, c)を代入するだけで、機械的に答えを出すことができます。
二次方程式の解の公式
解の公式
二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は、次の公式で求められる。
$$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
「\(\pm\)」(プラスマイナス)の記号は、解が「\(\frac{-b + \sqrt{\dots}}{2a}\)」と「\(\frac{-b – \sqrt{\dots}}{2a}\)」の2つあることを示しています。
解の公式の使い方
使い方はとてもシンプルです。二次方程式の \(a, b, c\) の値を見つけ出し、公式に代入して計算するだけです。
例題
二次方程式 \(2x^2 + 5x – 1 = 0\) を、解の公式を使って解きなさい。
手順①:a, b, cの値を確認する
\(ax^2+bx+c=0\) の形と見比べて、
- \(a = 2\)
- \(b = 5\)
- \(c = -1\) (符号に注意!)
手順②:解の公式に代入する
公式の文字を、これらの数字に置き換えます。負の数を代入するときはカッコをつけましょう。
$$x = \frac{-(5) \pm \sqrt{(5)^2-4 \times (2) \times (-1)}}{2 \times (2)}$$
手順③:計算を進める
ルートの中などを慎重に計算していきます。
$$x = \frac{-5 \pm \sqrt{25 – (-8)}}{4}$$
$$x = \frac{-5 \pm \sqrt{25 + 8}}{4}$$
$$x = \frac{-5 \pm \sqrt{33}}{4}$$
\(\sqrt{33}\)は、これ以上簡単な形にできないので、これが最終的な答えとなります。
どんなときに使うの?
二次方程式を見たら、まず因数分解ができないか考えます。因数分解のペアがすぐに見つからない場合や、そもそも因数分解できない場合に、最終手段として「解の公式」を使いましょう。