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3-3-4.平方完成で解く

二次方程式の解き方には、「因数分解」と「解の公式」の他に、もう一つ「平方完成(へいほうかんせい)」を利用した方法があります。この方法は、解の公式を自分で導き出す過程にもつながる、とても重要な考え方です。

平方完成のゴールは、方程式を \((x+p)^2 = q\) の形に変形することです。この形にできれば、あとは平方根の考え方を使って簡単に解くことができます。


平方根の考え方を使った解き方

まず、平方完成のゴールである \((x+p)^2=q\) の形の方程式を解く練習をしましょう。

例題1

\(x^2 = 9\) を解きなさい。


これは「2乗して9になる数\(x\)は何か?」という意味なので、\(x\)は9の平方根です。

$$x = \pm\sqrt{9}$$

$$x = \pm3$$

例題2

\((x-1)^2 = 7\) を解きなさい。


手順①:( )を一つの塊とみて、平方根を考える
「\(x-1\)」という塊は、2乗すると7になる数なので、7の平方根です。

$$x-1 = \pm\sqrt{7}$$

手順②:移項してxを求める
-1を右辺に移項します。

$$x = 1 \pm\sqrt{7}$$


平方完成のやり方

では、どうすれば \(x^2+6x-1=0\) のような式を \((x+p)^2=q\) の形に変形できるのでしょうか。

平方完成の手順

\(x\)の係数の「半分の2乗」を、両辺に足す!

例題3

\(x^2 + 6x – 1 = 0\) を平方完成で解きなさい。


手順①:定数項を右辺に移項する

$$x^2 + 6x = 1$$

手順②:\(x\)の係数の「半分の2乗」を両辺に足す
\(x\)の係数は「6」。その半分は「3」、3の2乗は「9」です。この「9」を両辺に足します。

$$x^2 + 6x + 9 = 1 + 9$$

手順③:左辺を因数分解し、右辺を計算する
左辺は \(a^2+2ab+b^2\) の形になっているので、因数分解できます。

$$(x+3)^2 = 10$$

手順④:平方根の考え方で解く
あとは例題2と同じです。

$$x+3 = \pm\sqrt{10}$$

$$x = -3 \pm\sqrt{10}$$


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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