二次方程式の解き方をマスターしたところで、いよいよそれらを活用して文章題に挑戦します。文章題の基本的な解き方は一次方程式のときと同じですが、二次方程式ならではの非常に重要な注意点が一つあります。
文章題の攻略マニュアル
二次方程式の文章題は、次の4つのステップで解いていきます。特に最後の手順④が、一次方程式の時よりも重要になります。
文章題を解く4ステップ
- 求めたい数量のうち、基準となるものを\(x\)とおく。
- 問題文から等しい関係を見つけ、二次方程式を立てる。
- 二次方程式を解いて、解を求める。
- 【最重要】求めた解が、問題の答えとしてふさわしいか確認する(解の吟味)。
二次方程式の解は2つ出てくることが多いため、その両方が問題の答えとして適切かどうかを必ず最後に確認する必要があります。例えば、長さや時間がマイナスの値になることはありえませんね。この確認作業を「解の吟味(かいのぎんみ)」と言います。
例題で手順を確認しよう
例題
横の長さが縦の長さより3cm長い長方形の厚紙があります。この厚紙の面積が40cm²であるとき、縦の長さを求めなさい。
手順①:求めたいものを\(x\)とおく
問題で聞かれている「縦の長さ」を \(x\) cmとします。
すると、「横の長さ」は縦より3cm長いので \(x+3\) cmと表せます。
手順②:二次方程式を立てる
長方形の面積は「縦 × 横」なので、次の等式が成り立ちます。
$$x(x+3) = 40$$
手順③:二次方程式を解く
まず、式を展開して「\(=0\)」の形に整理します。
$$x^2 + 3x = 40$$
$$x^2 + 3x – 40 = 0$$
この式を因数分解します。(足して+3, 掛けて-40になるペアを探す)
$$(x+8)(x-5) = 0$$
したがって、解は \(x=-8\) と \(x=5\) の2つです。
手順④:解の吟味をする
ここで、求めた2つの解が答えとしてふさわしいかを確認します。\(x\)は「縦の長さ」なので、マイナスの値になることはありえません。
・\(x=-8\) は、長さとして不適切なので問題の答えにはなりません。
・\(x=5\) は、正の数なので問題の答えとして適切です。
答え:5cm