「合同」が形も大きさも全く同じ図形の関係だったのに対し、「相似(そうじ)」は、形は全く同じで、大きさが違う(または同じ)図形の関係を指します。一方の図形を、決まった割合で拡大または縮小すると、もう一方の図形にぴったり重なる状態です。
この単元では、2つの三角形が相似であることを証明するための「相似条件」を学びます。これは、合同条件と同じくらい重要な、図形証明の大きな柱となります。
相似な図形とその記号
相似な図形とは?
一方の図形を、形を変えずに一定の割合で拡大、または縮小すると、もう一方の図形と合同になる2つの図形のこと。
2つの図形が相似であることを示すとき、数学では∽
という記号を使います。
相似の記号
例えば、△ABCと△DEFが相似であるとき、次のように書きます。
$$△ABC ∽ △DEF$$
合同のときと同じく、対応する頂点の順番で書くのがルールです。
三角形の相似条件(3つの呪文)
2つの三角形が相似であることは、次の3つの条件のうち、どれか1つでも満たされていれば証明できます。
条件①:3組の辺の比がすべて等しい
対応する3つの辺の長さの比が、すべて同じである場合、2つの三角形は相似です。
$$AB:DE = BC:EF = CA:FD$$
条件②:2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい
2組の対応する辺の長さの比が同じで、かつ、その2辺に挟まれた角の大きさが等しい場合、2つの三角形は相似です。
$$AB:DE = BC:EF \quad かつ \quad ∠B=∠E$$
条件③:2組の角がそれぞれ等しい
2組の対応する角の大きさがそれぞれ等しい場合、2つの三角形は相似です。(2つの角が等しければ、残りの1つの角も自動的に等しくなりますね)
$$∠B=∠E \quad かつ \quad ∠C=∠F$$
証明での使われ方
三角形の合同証明と同じように、問題の図形の中から、等しい角や辺の比の関係を見つけ出し、3つの相似条件のうちどれが使えるかを考えて証明を進めていきます。