相似な図形には、対応する辺の長さの比である「相似比(そうじひ)」があります。そして、この相似比を使うと、図形の「面積比(めんせきひ)」や「体積比(たいせきひ)」を、わざわざ面積や体積を計算しなくても簡単に求めることができます。
この関係は、地図の縮尺から実際の面積を求めるときや、模型から実物の体積を推測するときなど、現実世界でも広く応用されています。
相似比と面積比の関係
まず、相似な平面図形の相似比と面積比の関係を見ていきましょう。
例題:2つの相似な三角形
相似比が 2 : 3 の2つの相似な三角形△ABCと△DEFがあります。
底辺の比も高さの比も、どちらも相似比と同じ 2 : 3 になります。
それぞれの面積を計算して、その比を比べてみましょう。
- △ABCの面積:(底辺② × 高さ②) ÷ 2 = 面積④
- △DEFの面積:(底辺③ × 高さ③) ÷ 2 = 面積⑨
面積の比は 4 : 9 となりました。これは、相似比のそれぞれの数を2乗したものになっていますね。
相似比と面積比の公式
相似な2つの平面図形で、相似比が \(m : n\) ならば、
その面積比は \(m^2 : n^2\) となる。
相似比と体積比の関係
この考え方は、立体図形にも応用できます。
例題:2つの相似な立方体
相似比が 2 : 3 の2つの相似な立方体を考えます。
それぞれの体積を計算して、その比を比べてみましょう。
- 小さい立方体の体積:2 × 2 × 2 = 8
- 大きい立方体の体積:3 × 3 × 3 = 27
体積の比は 8 : 27 となりました。これは、相似比のそれぞれの数を3乗したものになっていますね。
相似比と体積比の公式
相似な2つの立体図形で、相似比が \(m : n\) ならば、
その体積比は \(m^3 : n^3\) となる。
まとめ
比の種類 | 比の関係 | 次元 |
---|---|---|
相似比(長さ) | \(m : n\) | 1次元 |
面積比(広さ) | \(m^2 : n^2\) | 2次元 |
体積比(かさ) | \(m^3 : n^3\) | 3次元 |