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3-6-1.円周角の定理

円の性質の中でも、特に高校入試で頻繁に登場し、多くの図形問題を解くカギとなるのが「円周角(えんしゅうかく)の定理」です。この定理をマスターすると、これまで角度が分からなかった図形も、まるで魔法のように角度を求めることができるようになります。


円周角と中心角

まず、主役となる2種類の角の名前を覚えましょう。

円周角と中心角

  • 中心角(ちゅうしんかく):円の中心Oと、円周上の2点を結んでできる角。(例:∠AOB)
  • 円周角(えんしゅうかく):同じ弧ABの上にある、円周上の点を頂点とする角。(例:∠APB)

1つの弧に対して、中心角は1つしか作れませんが、円周角は円周上のどこに点を取るかで、無数に作ることができます。


円周角の定理

この円周角には、2つの非常に重要な性質があります。これらをまとめて「円周角の定理」と呼びます。

円周角の定理 ①

1つの弧に対する円周角の大きさは、どこにとっても常に一定である。

上の図のように、弧ABに対する円周角は、点Pを円周上のどこに動かしても、その大きさは変わりません。

円周角の定理 ②

1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧に対する中心角の大きさの半分である。

$$円周角 = \frac{1}{2} \times 中心角$$

例題

下の図で、∠xの大きさを求めなさい。


∠xは、中心角80°と同じ弧に対する円周角です。
円周角の大きさは中心角の半分なので、

$$∠x = 80° \times \frac{1}{2} = 40°$$

答え:40°


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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