円の性質の中でも、特に高校入試で頻繁に登場し、多くの図形問題を解くカギとなるのが「円周角(えんしゅうかく)の定理」です。この定理をマスターすると、これまで角度が分からなかった図形も、まるで魔法のように角度を求めることができるようになります。
円周角と中心角
まず、主役となる2種類の角の名前を覚えましょう。
円周角と中心角
- 中心角(ちゅうしんかく):円の中心Oと、円周上の2点を結んでできる角。(例:∠AOB)
- 円周角(えんしゅうかく):同じ弧ABの上にある、円周上の点を頂点とする角。(例:∠APB)
1つの弧に対して、中心角は1つしか作れませんが、円周角は円周上のどこに点を取るかで、無数に作ることができます。
円周角の定理
この円周角には、2つの非常に重要な性質があります。これらをまとめて「円周角の定理」と呼びます。
円周角の定理 ①
1つの弧に対する円周角の大きさは、どこにとっても常に一定である。
上の図のように、弧ABに対する円周角は、点Pを円周上のどこに動かしても、その大きさは変わりません。
円周角の定理 ②
1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧に対する中心角の大きさの半分である。
$$円周角 = \frac{1}{2} \times 中心角$$
例題
下の図で、∠xの大きさを求めなさい。
∠xは、中心角80°と同じ弧に対する円周角です。
円周角の大きさは中心角の半分なので、
$$∠x = 80° \times \frac{1}{2} = 40°$$
答え:40°