「円周角は中心角の半分である」という円周角の定理は、円に関する角度問題の基本中の基本です。この関係を使いこなせば、一見複雑に見える図形問題も、補助線一本で簡単に解けるようになります。
特に重要なのは、半円の弧に対する円周角と、弧の長さに比例する円周角の性質です。
直径がつくる円周角
円の直径は、円をちょうど半分(半円)に分けます。この半円の弧に対する中心角は、一直線になるので180°です。
直径と円周角の性質
円周角は中心角の半分なので、半円の弧に対する円周角は、常に \(180° \div 2 = 90°\) となる。
つまり、直径を1辺とする円に内接する三角形は、必ず直角三角形になるということです。これは、図形の中に直角を見つけ出し、三平方の定理など他の道具と組み合わせるための非常に重要なテクニックです。
弧の長さと円周角の大きさ
円周角の大きさは、その角が作られる元の「弧」の長さに深く関係しています。
弧の長さと円周角の比例関係
同じ円において、円周角の大きさは、その角をつくる弧の長さに比例する。
これは、弧の長さが2倍、3倍になれば、それに対する円周角の大きさも2倍、3倍になるということです。もちろん、逆に円周角の大きさが2倍、3倍になれば、弧の長さも2倍、3倍になります。
例題
下の図で、⌒CDの長さが⌒ABの長さの2倍であるとき、∠xの大きさを求めなさい。
【考え方】
円周角の大きさは、弧の長さに比例します。
⌒ABに対する円周角は25°です。
⌒CDの長さは⌒ABの2倍なので、⌒CDに対する円周角である∠xの大きさも、25°の2倍になります。
$$∠x = 25° \times 2 = 50°$$
答え:50°