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3-6-5.円に関する証明問題

これまでに学んだ円の様々な性質(円周角の定理、接線の性質など)は、図形の証明問題において強力な「根拠」となります。一見すると複雑な図形でも、円の性質を利用することで、角が等しいことや、三角形が合同・相似であることを鮮やかに証明できます。

この単元では、円の性質をどのように証明のパーツとして組み込んでいくかを学びます。


円の性質を証明の武器にする

証明問題を解くときは、常に「今使える武器(根拠)は何か?」を考えることが大切です。円が絡む問題では、次の武器が特に有効です。

円の証明でよく使う武器リスト

  • 同じ弧に対する円周角は等しい → 2つの角が等しいことを言うときの根拠になる。
  • 直径に対する円周角は90° → 直角を見つけるときの根拠になる。
  • 弧の長さが等しければ、円周角も等しい → 角が等しいことを言うときの根拠になる。
  • 円の接線と半径は垂直に交わる → 直角を見つけるときの根拠になる。

例題で証明の流れを確認しよう

例題

下の図のように、円Oの周上に4点A, B, C, Dがあります。線分ACとBDの交点をPとするとき、△PAB ∽ △PDC であることを証明しなさい。


【証明のすじみち(頭の中の作戦会議)】
ゴールは「△PAB ∽ △PDC」を示すこと。そのためには、相似条件「2組の角がそれぞれ等しい」が使えそうだな。
証拠集め:等しい角を2ペア探そう。

  1. 図を見ると、∠APBと∠DPCは対頂角だ!対頂角は常に等しい。(証拠1)
  2. 次に、∠PAB(つまり∠CAB)に注目すると、これは弧CBに対する円周角だ。同じ弧CBに対する円周角が他にもないか探すと… あった!∠CDB(つまり∠PDC)だ。円周角の定理より、この2つは等しい。(証拠2)

よし、証拠が2つ集まった。作戦が決まったので、証明を書いていこう。


【解答】

△PABと△PDCにおいて、

対頂角は等しいので、
∠APB = ∠DPC ・・・ ①

弧BCに対する円周角は等しいので、
∠PAB = ∠PDC ・・・ ②

①, ②より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△PAB ∽ △PDC


理解度チェック

この小単元の内容が理解できたか、テストで確認しましょう。

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