01回路の式

電荷は時間とともにどう変わるか。まず式を立てます。コンデンサーの上の板の電荷を qq、図の向きの電流を II とします。電流が流れると上の板に電荷がたまるので I=dq/dtI = dq/dt です。回路を 1 周すると電圧の和は 0(キルヒホッフの法則)なので

コイル L、抵抗 R、コンデンサー C を直列につないだ回路。電流 I と、コンデンサーの電荷 +q, −q
L dIdt+R I+qC=0,I=dqdtL\,\frac{dI}{dt} + R\,I + \frac{q}{C} = 0,\qquad I = \frac{dq}{dt}L dIdt+R I+qC=0,I=dqdt\begin{gathered}L\,\frac{dI}{dt} + R\,I + \frac{q}{C} = 0,\\[4pt]I = \frac{dq}{dt}\end{gathered}

電流を電荷で書くと

RLC 回路の式
L q¨+R q˙+1C q=0⟷m x¨+b x˙+k x=0L\,\ddot q + R\,\dot q + \frac{1}{C}\,q = 0 \qquad\longleftrightarrow\qquad m\,\ddot x + b\,\dot x + k\,x = 0L q¨+R q˙+1C q=0⟷m x¨+b x˙+k x=0\begin{gathered}L\,\ddot q + R\,\dot q + \frac{1}{C}\,q = 0\\[4pt]\longleftrightarrow\\[4pt]m\,\ddot x + b\,\dot x + k\,x = 0\end{gathered}

右のばねの式(減衰振動)と、文字が違うだけで同じ形です。

02ばねとの対応

同じ式なら、解も同じです。文字を読みかえれば、ばねで出した結果がそのまま回路で使えます。

ばね回路役割
ずれ xx電荷 qq揺れるもの
速さ x˙\dot x電流 IIその変わる速さ
質量 mmインダクタンス LL変化をいやがる
抵抗の係数 bb抵抗 RRエネルギーを熱にする
ばね定数 kk1/C1/C元に戻そうとする
γ=R2L,ω0=1LC,Q=ω02γ=1RLC\gamma = \frac{R}{2L},\qquad \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}},\qquad Q = \frac{\omega_0}{2\gamma} = \frac{1}{R}\sqrt{\frac{L}{C}}γ=R2L,ω0=1LC,Q=ω02γ=1RLC\begin{gathered}\gamma = \frac{R}{2L},\\[4pt]\omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}},\\[4pt]Q = \frac{\omega_0}{2\gamma} = \frac{1}{R}\sqrt{\frac{L}{C}}\end{gathered}

033 通りの減り方

ばねと同じく、γ\gamma と ω0\omega_0 の大小で 3 通りに分かれます。境目の γ=ω0\gamma = \omega_0 になる抵抗が臨界抵抗です。

Rc=2LCR_c = 2\sqrt{\frac{L}{C}}
L = 10 mH、C = 1.0 μF の回路で、抵抗 20 Ω、200 Ω、800 Ω のときの電荷 q(t)。20 Ω では揺れ、200 Ω では揺れずに最も速く減り、800 Ω ではゆっくり減る
L = 10 mH、C = 1.0 μF。Rc = 200 Ω を境に揺れ方が変わる

例題 1L=10 mH, C=1.0 μF, R=20 ΩL = 10\ \mathrm{mH},\ C = 1.0\ \mu\mathrm{F},\ R = 20\ \Omega の回路の揺れ方

ω0=110−2×10−6=1.0×104 s−1\omega_0 = \frac{1}{\sqrt{10^{-2} \times 10^{-6}}} = 1.0\times 10^4\ \mathrm{s^{-1}}

振動数では f0=ω0/2π=1.6 kHzf_0 = \omega_0/2\pi = 1.6\ \mathrm{kHz} です。

γ=R2L=1.0×103 s−1\gamma = \frac{R}{2L} = 1.0\times 10^3\ \mathrm{s^{-1}}

γ<ω0\gamma < \omega_0 なので揺れながら減ります(Rc=200 ΩR_c = 200\ \Omega より小さい)。Q=ω0/2γ=5Q = \omega_0/2\gamma = 5 で、5 周期ほどでかなり小さくなります。

演習 1

L=10 mH, C=0.10 μFL = 10\ \mathrm{mH},\ C = 0.10\ \mu\mathrm{F} の回路で、臨界減衰になる抵抗 RcR_c はいくらか。

答えを見る

Rc=2LC=21.0×10−21.0×10−7=21.0×105=6.3×102 Ω\begin{aligned} R_c &= 2\sqrt{\frac{L}{C}} = 2\sqrt{\frac{1.0\times 10^{-2}}{1.0\times 10^{-7}}} \\ &= 2\sqrt{1.0\times 10^{5}} = 6.3\times 10^2\ \Omega \end{aligned}

これより小さい抵抗なら電荷は揺れながら減り、大きければ揺れずに減る。

04交流で揺らす

外から揺らすと、どの振動数で電流が大きくなるか。交流電源 V0cos⁡ωtV_0\cos\omega t をつなぐと、ばねを外から揺らす強制振動と同じ式になります。回路では電荷より電流を測ることが多く、電流の振幅は

I0(ω)=V0R2+(ωL−1ωC)2I_0(\omega) = \frac{V_0}{\sqrt{R^2 + \bigl(\omega L - \frac{1}{\omega C}\bigr)^2}}

で、ωL=1/(ωC)\omega L = 1/(\omega C)、つまり ω=ω0=1/LC\omega = \omega_0 = 1/\sqrt{LC} でちょうど最大の V0/RV_0/R になります(電流は速さに当たるので、山は ω0\omega_0 ちょうど)。回路ではこれを共振と呼びます(ばねでいう共鳴)。ラジオが 1 つの局を選べるのは、この共振のおかげです。

交流の電流の振幅を ω/ω0 に対して描いた図。ω0 でちょうど最大の V0/R
L = 10 mH、C = 1.0 μF、R = 20 Ω の電流の振幅。ω0 でちょうど最大

共振の鋭さは 半値幅 と同じく QQ で決まります。