01外から揺らす
減衰振動 のおもりに、外から F0cosωt の力を加えます。
x¨+2γx˙+ω02x=mF0cosωt 記号は減衰振動と同じで、γ=b/2m、ω0=k/m、Q=ω0/2γ です。
右辺が 0 ではないので、解を足しても解にはなりません(重ね合わせ)。ただ、この式の解を 1 つ(特解)見つければ、それに右辺を 0 にした式(斉次方程式)の一般解、つまり自由振動を足したものが全部の解です(2 つの解の差は斉次方程式を満たすため)。
x(t)=やがて消えるx自由(t)+定常解Xcos(ωt−ϕ) 自由振動はやがて消える(抵抗が弱ければ e−γt で)ので、しばらくすると力と同じ角振動数 ω で揺れる定常解だけが残ります。これを求めます。
02定常解を求める
cos のままだと、微分で sin が混ざって計算が長くなります。そこで cosωt=Reeiωt を使い、複素数の式を解いてから実部をとります(Euler の公式。係数が実数なので、複素数の解の実部が元の式の解になる)。
z=X~eiωt を z¨+2γz˙+ω02z=(F0/m)eiωt に入れると、微分は iω 倍になるだけなので
X~=ω02−ω2+2iγωF0/m 絶対値が振幅で、偏角の符号を変えたものが位相の遅れ ϕ です(X~=Xe−iϕ)。
振幅と位相の遅れX=∣X~∣=(ω02−ω2)2+4γ2ω2F0/m,tanϕ=ω02−ω22γω(0≤ϕ≤π)X=∣X~∣=(ω02−ω2)2+4γ2ω2F0/m,tanϕ=ω02−ω22γω(0≤ϕ≤π)x=Xcos(ωt−ϕ) ϕ は、おもりが力からどれだけ遅れて揺れるかです。
ゆっくり揺らすと力と同じ向き(φ ≈ 0)、ω0 でちょうど π/2 遅れ、速く揺らすと逆向き(φ ≈ π) 03共鳴
では、どの ω でいちばん揺れるか。振幅 X は、分母の (ω02−ω2)2+4γ2ω2 がいちばん小さい ω で最大になります。ω2 で微分して 0 とおくと(γ<ω0/2 のとき)
ωr=ω02−2γ2,X(ω0)=2mγω0F0=QkF0ωr=ω02−2γ2,X(ω0)=2mγω0F0=QkF0Q=ω0/2γ
抵抗が弱いと ωr≈ω0 で、振幅はゆっくり押したときの F0/k の約 Q 倍になります。これが共鳴です。
Q が大きい(抵抗が弱い)ほど、山は高く鋭い。山の高さはおよそ Q 倍 例題 1m=0.200 kg, k=12.3 N/m, b=0.100 kg/s のおもりを、F0=0.050 N の力で揺らす。共鳴での振幅は。
γ=0.250 s−1,ω0=7.84 s−1,Q=2γω0=15.7γ=0.250 s−1,ω0=7.84 s−1,Q=2γω0=15.7 kF0=0.41 cm,X(ω0)=QkF0=6.4 cmkF0=0.41 cm,X(ω0)=QkF0=6.4 cm ゆっくり押しても 0.4 cm しか動かない力で、共鳴させると 6.4 cm 揺れます。
演習 1
ω=ω0 で揺らすと、位相のずれ ϕ はいくらか。そのとき、おもりの速さは力と同じ向きか。
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ω=ω0 では tanϕ の分母が 0 で、分子は正なので ϕ=π/2。
x=Xcos(ω0t−π/2)=Xsinω0t,x˙=Xω0cosω0tx=Xcos(ω0t−π/2)=Xsinω0t,x˙=Xω0cosω0t
速さ x˙ が力 F0cosω0t とぴったり同じ向きで、力がいつも正の仕事をする。だから速さの振幅と、力がする仕事率が最大になる(変位の振幅の山はそれより少し低い ωr)。
04半値幅と Q 値
山の鋭さを数で表します。振幅の 2 乗が頂上の半分になる(振幅が頂上の 1/2 になる)2 つの ω の差 Δω を半値幅と呼びます。抵抗が弱いとき
半値幅Δω≈2γ=Qω0(Q=Δωω0)Δω≈2γ=Qω0(Q=Δωω0)
Q = 10 の曲線。頂上の 1/√2 の高さでの幅が半値幅 Δω ≈ ω0/Q = 0.1ω0
これが 対数減衰率と Q 値 で触れた「共鳴の幅から決める Q」です。抵抗が弱いと、減り方から決めた Q=ω0/2γ とほぼ一致します。
05揺らし始め
揺らし始めは自由振動が混ざり、2 つの振動数が重なってうなります。自由振動が e−γt で消えると、定常解だけになります。
静止から揺らし始めると、うなりながら、1/γ の数倍の時間で定常解(破線の振幅)に落ち着く(γ = 0.03ω0、ω = 1.15ω0) 演習 2
Q=50, ω0=2π×100 s−1(100 Hz)の振動子の半値幅 Δω と 1/γ を求め、揺らし始めて定常になるまでの時間を見積もろう。
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Δω≈Qω0=50628=12.6 s−1
(振動数では 2 Hz)
γ=2Δω=6.3 s−1,γ1=0.16 sγ=2Δω=6.3 s−1,γ1=0.16 s
1/γ で自由振動は 1/e になるので、0.5 s ほどでほぼ定常になる。