01e の虚数乗とは
eiθ を「e を iθ 回かける」とは読めません。そこで、実数のときに成り立つ級数(テイラー展開)を、複素数 z でも使えるように定義とします。
ez=n=0∑∞n!zn=1+z+2!z2+3!z3+⋯
この級数はどんな複素数でも収束し、z が実数ならいつもの ex です。実数のときと同じ次の性質も成り立ちます(級数の掛け算と、項ごとの微分で示せる)。
ez+w=ezew,dtdeλt=λeλt(λ は複素数でもよい)ez+w=ezew,dtdeλt=λeλt(λ は複素数でもよい) 02Euler の公式
では eiθ(θ は実数)はどんな数か。級数に z=iθ を入れると、i のべき i2=−1,i3=−i,i4=1,i5=i, … のため、n が偶数の項は実数、奇数の項は i つきになります。分けて並べると(絶対収束するので並べ替えてよい)
eiθ=(1−2!θ2+4!θ4−⋯)+i(θ−3!θ3+5!θ5−⋯) かっこの中は cos と sin の級数 cosθ=1−2!θ2+4!θ4−⋯,sinθ=θ−3!θ3+5!θ5−⋯ そのものなので
Euler の公式eiθ=cosθ+isinθ eiθ は、複素平面で半径 1 の円の上を角度 θ だけ回った点です。実部が cosθ、虚部が sinθ です。
指数に実部 α がつくと、指数法則で e(α+iβ)t=eαteiβt=eαt(cosβt+isinβt) となり、β=0, α<0 なら縮みながら回ります。減衰振動はこれです。
例題 1e(−0.5+2i)t の実部と虚部を書く。
e(−0.5+2i)t=e−0.5te2it=e−0.5tcos2t+ie−0.5tsin2t 実部は e−0.5tcos2t、虚部は e−0.5tsin2t。どちらも振幅が e−0.5t で減りながら、角振動数 2 で揺れます。
演習 1
Euler の公式に θ=π を入れると、何になるか。
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cosπ=−1, sinπ=0 なので
eiπ=−1.
演習 2
f(θ)=cosθ+isinθ を θ で微分すると if(θ) になることを確かめよう。
(eiθ を微分すると ieiθ になることと合っている。)
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cos と sin の微分から
f′(θ)=−sinθ+icosθ.
一方
if(θ)=icosθ+i2sinθ=−sinθ+icosθ.
2 つは等しい。
03実数の解を取り出す
微分方程式からは e±iωt が組で出てきますが(θ=ωt)、ほしいのは実数の解です。e−iθ=cosθ−isinθ(cos は偶関数、sin は奇関数)と足し引きすると
cosθ=2eiθ+e−iθ,sinθ=2ieiθ−e−iθcosθ=2eiθ+e−iθ,sinθ=2ieiθ−e−iθ 足して 2 で割れば cos、引いて 2i で割れば sin が取り出せます。たとえば e±2it からは cos2t と sin2t です。取り出した C1cosθ+C2sinθ は、三角関数の合成で 1 つの cos に変形できます。