012 変数の谷の底
1 変数なら、 の点が極小・極大の候補でした。2 変数の でも、 と を別々に 1 変数として見ればよさそうです。ところが、 方向に切ると谷の底でも、 方向に切ると山の頂上になっている点があります(03 節の鞍点)。逆に、 方向にも 方向にも谷なのに、斜めに切ると山になる点もあります(たとえば の原点。04 節で )。2 つの向きを合わせて調べる必要があります。
02停留点
を止めて だけで微分したものが偏微分 ( とも書く)です。谷の底では、 方向にも 方向にも傾きがないので
この 2 つを満たす点を停留点と呼びます。 がなめらかなら、定義域の内側にある極小や極大は必ず停留点です(端では成り立たない)。ただし、逆は成り立ちません。
03谷・山・峠
停留点には、谷の底(極小)、山の頂上(極大)のほかに、鞍点(峠)があります。ある向きには上り、別の向きには下る点です。
偏微分が 0 なだけでは、どれか分かりません。もう 1 回微分して、曲がり方を見ます。
042 階の偏微分で見分ける
1 変数の の符号に当たるものがほしい。停留点で 2 階の偏微分 、、 を求め( は 2 回なめらかに微分できるとする)
- :極小(どの向きにも上る)
- :極大
- :鞍点
- :これだけでは分からない
理由:停留点からのずれを とし、 を 2 次までテイラー展開すると、1 次の項は 0 で、 なら増え方は 2 次式 で決まります。平方完成すると なので、 なら 2 つの項は と同じ符号、 なら向きによって符号が変わります( のときは で同じように平方完成し、両方 0 なら の項だけで、やはり向きで符号が変わる)。
例題 1 の停留点と、その種類
なので極小で、値は です。
例題 2最小二乗法の の停留点は、いつも極小か
はデータの個数、 は の平均です。 がすべて同じでなければ 、また なので極小です。 なので停留点を決める連立 1 次方程式の解はただ 1 つです。さらに は 2 次式なので、停留点 のまわりのテイラー展開は 2 次で終わり、 が近似なしで成り立ちます。よって全体の最小です(最小二乗法)。
演習 1
の停留点をすべて求め、それぞれ極小・極大・鞍点のどれか答えよう。
答えを見る 答えを閉じる
より停留点は と 。 なので
- : で極小
- : で鞍点